近年厳寒期でも、アラの釣果を聞くようになった男女群島。2月中旬、午後10時に佐賀・呼子港を出港した日乃出丸で一路男女群島を目指した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・小関孝夫)
尾長夜釣り仕掛け
夕方の見回りの時刻となったが過去に大型の尾長の顔を見た釣り場のためとどまることにした。夕食を済ませ、夜釣りの準備。
サオ4号、リール5000番、ミチイトはナイロン10号、ハリス10号、ウキはDアクション環付き3B~1号を潮流や狙うタナに合わせて変更。Dアクション環付きはケミホタル37がウキに装着できるので夜釣りでの視認性が良くツインホールアダプターを使用することでミチイト10号でも仕掛けがスムーズに入っていく。
環付きウキを使うメリットは風で仕掛けが流されにくいこともある。ウキを浮かせて使用する夜釣りではウキのトップから出ているミチイトが風を受けてまきエサと離れてしまうことも多い。環付きだと最初からミチイトはウキの下にあるため流れになじみやすい。そしてもう1つ1~3号の棒ウキと、それに対応できるオモリも用意。
この環付きウキと棒ウキを状況で使い分けることで近年は高確率で夜の尾長がキャッチできているように思う。尾長が食うタナを探り、浅ダナならDアクション環付き、深ダナであれば棒ウキで攻める方法だ。
デカ尾長無念のハリス切れ
さて、6時をすぎると今まで頻繁にあったアタリがなくなった。これは怪しい、何か大型の魚がいるのかもと思い、棒ウキセットの夜釣り用のタックルに持ち替え、ウキにケミホタルを装着して仕掛けを流す。
流れの緩い場所など探っていくと仕掛けが止まり、30mほど先でウキがゆっくり押さえこまれた。オープンベールで流していたベールを戻してイトを手で持ち誘いをかけるとコココッと手に小さいアタリ。居食いしているようなので緩んだミチイトを巻き取りながらアワセを入れてフッキング。魚にのされる寸前でイトが出るようセットしたドラグがジジッと鳴る。沖に走らず瀬ギワに向かって逃げ込もうとする獲物は尾長のようだ。
サオを絞り込みながらリールを巻き、傾斜のきつい釣座でタモを持ったまま取り込みやすい場所まで降りて最後の攻防。キャップライトで照らされた獲物は大型の尾長で、よしよしと思った瞬間、サオが空を切り手から重量感が消えた。が、やり取りで疲れ切ったのか尾長はまだ水面下に見える。タモですくおうとしたがゆらゆらとデカ尾長は消えていった。
尾長55cmキャッチ
くやしさから震える手でハリスを張り替え再度仕掛けを投入。無情にも潮は下げ潮から上げの潮に変わっていてアタリのあったポイントは狙えない状況になっていた。
気分転換にとウキを環付きのDアクション3Bに変更。軽くミチイトを出して流れに乗せようとするがまだまだ流れは緩い。気が緩んでいるときに限ってアタるようでよそ見をしているうちにウキが沈んでいた。瞬間的にアワセを入れるとハリ掛かり。
しかし、至近距離での強い引きに一瞬体のバランスを崩しそうになり片手で岩をつかみ踏ん張る。強引にやり取りすると尾長が水面下に……「巻き過ぎるなよ」と自分に言い聞かせながらタモ入れ。簡易的に計測すると55cm、良いサイズだがやはり60cmを超えたいと間髪入れず仕掛けを投入。時刻は8時すぎ、ここから尾長の連発が始まる。