現状では釣果・釣況ともに冬の釣りの延長戦上でも、これから1~2週間もすれば様相が一変する釣り場が静岡県内には数多く点在する。沼津市にある門池もそんな春待ち釣り場の一つだろう。県内多くの釣り場がそうであるように、門池も無料で楽しめる。駐車場開門時間が遅いのがやや難点だが、昼ごろから時合いを迎える同池ではかえっておあつらえ向きかもしれない。
(アイキャッチ画像提供:がまかつテクニカルインストラクター熊谷充)
門池の概況
周囲約1.3kgのかんがい用水池。外周に遊歩道が設置され市民の憩いの場としても活用されている。水源は門池の西側を流れる黄瀬川からの引き込み水。
直近の釣況は日に2~3枚。日並みがいいと片手以上も狙えるが、絶好調にはほど遠い。しかし今後気温・水温ともに上昇すれば、徐々に魚の活性も上がり釣果も上昇に転じると思われる。
昨年放流された新ベラだが、どこに身を隠してしまったのかまったく姿を現わさない。釣れるのはすべて尺以上の地ベラ。よってアタリが続かず枚数も伸びない。これが続くようになるとツ抜けも見えてくるようになるのだろう。
ポイント
冬の釣りを引きずる現在は、中央ひな壇と芝生が主戦場で、そのほかはあまり入釣者の姿を見かけない。まれに東風が強いと床屋前などに入るが釣れているかは不明。駐車が可能だったころはジャカゴ一帯も人気だったが、駐車不可となった現在はあまり釣り人の姿を見かけない。
常にエサ打ちされている所=魚が寄りやすい、という図式からすれば、やはり芝生、弁天島北側、中央ひな壇などに入るのが無難だろう。
なお水位が高いと芝生は釣り台が置きにくくなる。1m近く伸びる特長の脚(前脚)があると便利だが、ないとかなり下がった位置に釣り台を置く羽目になる。また水面からも高くなるため水汲みとかがやりにくい。
釣り台が置きやすいという視点で解説するなら、弁天島北側のコンクリート護岸がお勧め。岸から3~4m先で垂直に落ち込んでいて、その陰に魚が潜んでいる。弁天島に渡る橋からチェックして何尺竿を出せば適当か判断してほしい。なお目安は13~15尺ほど。
また中央ひな壇も石積み階段護岸のため釣り台そのものは置きやすい。しかし柵がかなり高いので、またいで乗り越えるのにやや難儀する。
釣り方とエサ
メインはドボンを含めた底釣りだが、水深がある中央ひな壇なら宙釣りも効く。
底釣り
ひな壇を除き岸際から緩やかにカケ下がっている地形がほとんど。手前は掛かりが多いことから短竿は効きづらく、最低でも15尺以上を出す人が多い。さらに少しの風でも流れが付きやすいことから、いきなりドボンで狙う常連も少なくない。ただドボンといっても流れ川ほどの流速ではないので、軽めのオモリを使ったライトドボンが主流となる。
エサはグルテンセットが定番だが、近年はバラケにウドンを用いた段差の底釣りで狙う人も目立ってきている。もちろんその場合はバランス釣りとなり、しかも1本のハリしか底に着かないので流れにも弱い。そのため段底で狙うなら流れが弱い時がお勧め。
ご多分に漏れず、ここ門池もジャミが比較的うるさい。さらに淡水ガニもいたずらをして、これが結構な頻度にハリ掛かりする。こうなるとバラケ併用に抵抗を感じても致し方ないが、常連の多くはそれでもお構いなしでバラケを打つ。
「ヘラが寄ればジャミは散る。」
この基本原理が通用する池なので、ジャミアタリが消えるまでテンポよくエサを打つことが門池では肝要のようだ。また段差の底釣りが強いと言われるのもこれに起因すると思われる。しかも食わせが固形物であれば、なおさらジャミには打ってつけとなるわけだ。
宙釣り
宙釣り(ひな壇)なら、この時期はまだウドンセットが断然有利。両ダンゴやトロ巻きは、いささか時期尚早だと思われる。ただひな壇の宙釣りであれば長竿不要なので、短竿で手軽に遊べるのはうれしい。
<がまかつテクニカルインストラクター熊谷充/TSURINEWS編>
門池
入釣無料。釣り台必携。
駐車場:9時開門、18時閉門。