1月31日(水)に鶴見・潮見橋にある新明丸から、東京湾のフグを狙った。当日は渋い状況となり、『湾フグ』釣りの基本ともいえる部分のていねいさが、釣り人に求められた一日となった。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)
激渋のなか基本を忠実に実践
仕掛けを前方に投げ入れると水深8mほど。イトフケを取って基本の誘いに入る。竿先をチョンと跳ね上げるような動きを与え、仕掛けの重さを竿の穂持ちに乗せながら再びゆっくり着底。ゼロテンのポジションを取り、竿先に出るアタリを見ていく。
反応がなければ再び誘いを入れていくが、誘い後の食わせの間はその日によって異なるので、活性に合わせて3~10秒程度の間でコントロールしている。
スタートから30分、数回目の流し変えで「顔は出ましたよ。潮が少し速くなってきたので、アタリが出せていない人はオモリを重くしてください。海底で仕掛けが動くとアタリが出ませんからね」と、船長から的確なアドバイスが出る。
そこで、オモリを15号にチェンジ。すると、その直後に誘ったあとゼロテンションで、わずかにトップガイドが震えるようなアタリ。ハリスの長さぶん聞き上げるとズンっという重量感。追いアワセを入れてからリーリング。力強いトルクで一気に横走りすると、弧を描くように走り、姿を見せたのは良型ショウサイフグ。船長のアドバイス通り、仕掛けが海底で安定すれば、しっかりと結果が出た瞬間であった。
2kg級トラフグ浮上
船中でもポツポツとアタリが出始める。右舷トモ2番の石井さんは、スピニングリールを使用し、キャストして広範囲で狙うスタイル。ショウサイフグにトラフグをキャッチ。さらに、2kg近い大型を手にしていた。
その石井さんが釣りの師匠と仰ぐのは、右舷トモ3番に座った関根さん。釣りを始めて間もないというが、ていねいな誘いを繰り返していると、フグのアタリを見事に引きだしてトラフグを取り込む。
私の左隣に座るのは、小松さん。「なかなかアタリが出せません」と話していたが、仕掛けを海底にしっかりと置く…という船長からのアドバイスもあり、直後にアタリを捉えるとアワセが決まる。無事にショウサイフグをゲットし笑顔がこぼれた。
最終釣果
その後もなかなかアタリを出すことが難しい時間帯が続き、11時半ごろから船中沈黙。林船長は、少しでも魚の気配がある場所を求めてランガンを繰り返してくれたが、結局、その後は盛り上がりなく15時前に沖上がり。
船中釣果は、20~40cm0~12尾。私はショウサイフグ4尾にトラフグ3尾の7尾で終了。船全体的にもトラフグが3割ほど交じり、ゲストにホウボウやシロギスなどが上がっていた。
船長のコメント
下船後、船長に話を聞くと「きょうはフグが潮を気に入らなかったのか、アタリ自体が少なかったですね。ですが、日によるムラもありますし、これから春に向けてポイントの水温が上昇してくれば、もっと素直にアタリが出るようになると思います。年々、トラフグが多くなっているように感じますし、本命のショウサイフグをメインに楽しめると思います」と締めくくってくれた。
アタリを出すための誘いと食わせの間。そして、誘ったあとはしっかりと海底に仕掛けを留める。
今回のように渋い状況だからこそ、この『湾フグ』釣りの基本ともいえる部分のていねいさが、釣り人に求められた一日だったように思う。
どうしてもアタリが出せない…という人は、実釣時に、基本を再確認してみてはいかがだろう。
<週刊つりニュース関東版APC・田中義博/TSURINEWS編>
新明丸
出船場所:横浜市・鶴見