1月8日、年末年始の忙しい仕事が終わり、釣友の田中さんが釣りに誘ってくれたので、新年の初釣りに出かけた。今回の釣りは、三重県・紀北町海野でイシダイ狙いの底物釣りだ。この時期の底物は本来シーズンオフだが、近年は海水温が高くポツリポツリと釣れている。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・関口真稔)
紀北の磯で底物釣り
当日は昼ごろから強い風が吹く予報なので、午前中が勝負だろう。午前6時ごろに港を出船し、目的の磯へと向かった。前日は少し波があったのだが、この日はベタナギでヒラジマという磯に渡礁した。
ポイントを田中さんに聞いていると、本命釣り場は西向きだが、南向きも東向きも釣れると教えてくれた。今回は田中さんが東向きに釣り座を構え、私は南向きに釣り座を構えた。久しぶりの底物のタックルを準備し、仕掛けを組んでいく。
初めてのポイントで、どの向きがどのような地形になっているか分からないので、瀬ズレワイヤーを使い仕掛けを組む。今は風が吹いていないので、オモリは20号からスタートする。この日のエサはウニを用意した。
序盤は反応なし
まず1投目は、正面にできる限り遠投した。カウンターで47m。そこから地形を探りながら、仕掛けの落ち着く所、引っ掛かる所を探していく。32m付近で地形の変化があり、まずはそこに仕掛けを置いてみる。
すぐにアタリがあるような釣りではないので、次のエサを準備しながら気長に待つが、アタリはない。1度回収してみると、エサも残ったままだ。次は先ほどより手前35mに着底させ、また地形を探りながら手前に寄せてくると、フラットな所からシモリにさしかかるような感触があったので次はここだ。
繰り返し仕掛けを入れていくと、エサが取られるようになった。そして回収している時に25mぐらいの所で、何回か引っ掛かる。ここにシモリがあるのか、カケアガリがあるのだろう。そのポイントも狙うが、本命のアタリはない。
休憩を挟みながら続けていると、風が吹きだした。かなりの強風だ。サオ先が動かされるようになり、仕掛けも動いてしまう。小さなアタリは分からないようになってきたので、オモリを30号に上げて仕掛けを動かないようにした。そして、風の受けにくい角度にサオ受けの角度を調整し、仕掛けを入れ直す。それでもなかなかアタリがなく、時間だけが過ぎていく。
50cm級イシダイ登場
しかし、打ち返す手を止めるわけにもいかないので、次のエサの準備をしていると田中さんのサオにアタリが出た。大きな前アタリからサオが胴まで曲がり込み、気持ちのいい舞い込みだ。焦らずにアワセを入れるとしっかり掛かった。
「そんなに大きくないよ」と言いながら魚を寄せてくると、シマシマがきれいな50cmほどのメスだった。大きくないとは言っても、この時期に釣れるのはとてもうらやましい。
この1匹を見て、心が折れそうだった私もやる気が出てきた。諦めず角度や距離を変えながら仕掛けを打ち返すと、私にも待望のアタリが出た。本命っぽい気持ちのいい前アタリ。だがすぐには舞い込まない。かなり激しいアタリに変わってきたが、しっかりと舞い込むまで我慢していると、穂先が海面まで入っていった。
大きくアワセを入れ、久しぶりの底物の引きを味わう。突っ込みに耐えながら巻き上げると、きれいな銀色が浮いてきた。50cmほどのオスだ。ボウズを逃れたことと、久しぶりのオスのイシダイに大興奮。
57cmヒットでサイズアップ成功
この時合いを逃すともう釣れないような気がしたので、急いで次のエサを投入する。すぐにはアタリが出ず、サオから離れてサオ先を見ながらそろそろエサを変えようかと思っていると、前アタリが出た。前アタリが出てからサオの所までダッシュ。そして、サオを手にした時にはもう舞い込んでいる。
急いでアワセを入れるが、態勢が悪く強烈な突っ込みに負けてのされてしまい根に入られた。一度根に入ってしまうと、引っ張るだけでは出てこないので、この隙に立ち位置を踏ん張れる所に変え、イトを少し送り出てくるのを待つと魚が動いた。根からはがすようにゴリ巻きする。相手に主導権を渡さない強引なやり取りで魚を浮かせた。大きい! 浮いた魚を一気に取り込んだ。
その後は納竿までの時間が短く、ぎりぎりまでサオを出していたが、アタリがなく納竿の時間となった。
港に着いてサイズを測ると49cmと57cmだった。最後の連発とサイズアップがとてもうれしく、一緒に喜んで笑ってくれる釣友に感謝し、また一緒に行きたいと思いながら帰路に就いた。
<週刊つりニュース中部版APC・関口真稔/TSURINEWS編>