ワカサギ釣りのリールには手巻きリールと電動リールがあります。近年は巻くのに手間がかからず、手返しが速い電動リールの人気が高いですが、手巻きリールにも「価格が安い」、「ワカサギの手応えを直接味わえる」など魅力とメリットが存在します。今回は、そんなワカサギ用の手巻きリールについて、選び方やおすすめアイテムを紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・落合浩大)
ワカサギ釣りにおける手巻きリールのメリット
まずはワカサギ釣りで手巻きリールを使うメリットを紹介します。
価格が安い
手巻きリールの大きなメリットは、電動リールよりも価格が安いということです。電動リールを買うには安価なものでも6000円程度は必要になりますが、手巻きリールなら1000~2000円程度から手に入ります。安価なタックルでワカサギ釣りに挑戦してみたいという場合には、良い選択肢となるでしょう。
また、リールの素材にもよりますが、電池やモーターがない分、電動より軽量なリールが多数あるのもメリットです。軽いリールは操作してても疲れにくく、短い竿を使うワカサギ釣りではリールの軽さもアタリを捉える感度に繋がってきます。安価で感度の高いタックルを揃えられる点は大きな魅力と言えます。
やり取りでの優位性
ワカサギ用の電動リールは小型のためパワー面に限界があり、2~3歳の大型ワカサギが複数掛かる場面や、掛かったワカサギを狙うマスやブラックバスなどの大型ゲストがヒットする状況では、手巻きリールの方が安定したやり取りが可能です。
また、手巻きリールは巻き上げに労力がかかるものの、ワカサギの手応えを直接感じながら引き上げる楽しみがあり、これも電動リールにはない大きな魅力の一つと言えるでしょう。
サブタックルとしても
電動リールは電池やバッテリーが必要になるため、どうしても電池・バッテリー切れなどの不安もつきまとうほか、低温下ではバッテリーや電池の出力が低下するため、動作が不安定になることも……。
手巻きリールは人力なのでそのような心配はいらず、万が一のサブタックルとしても優秀です。
ワカサギ用手巻きリールの選び方
続いてワカサギの手巻きリールを購入するときに、気をつけたいポイントを紹介します。
ベイトとスピニング
ワカサギ用の手巻きリールにはベイトリールとスピニングリールの2種類があります。
主流として使われているのはベイトリール。縦に仕掛けを落とすワカサギ釣りにおいて糸の出し入れがしやすく、ごく軽いオモリを使った仕掛けでも構造上スムーズに落としやすいのがメリットです。
ただ、デメリットもあり、扱いに慣れないとライントラブルが起こりやすい特徴もあります。糸を出すときのサミングを必ず行う、レベルワインド機能のないリールでは巻き取り時に糸が偏らないようにリールを傾けて調整するといった基本を忘れないようにしましょう。
スピニングリールについては初心者でもリール自体の操作がしやすいのがメリット。ただ、本格的なワカサギ釣りに挑むにはデメリットも多いです。一つはベールを返す動作が必要なため手返しが遅くなり、仕掛けを落とした直後のアタリにも即座に反応しづらいこと。また、ラインに巻きグセが付きやすく、巻きグセの付いたラインでは軽量なオモリが落ちにくかったり、アタリが出にくくなったりするなどです。
500~1000番台などの小型スピニングリールを持ってる場合には代用して挑戦してみるのもいいですが、これからワカサギ釣り用のリールを購入するのであればベイトリールがおすすめとなります。
ちなみにベイトリールも他魚種用の小型ベイトリールが流用可能ですが、ものによってはスプールの回転が硬く、あまり軽いオモリを使うと仕掛けが上手く落ちていかないことがあるので注意しましょう。
カウンター付きリール
ワカサギを釣るには、ワカサギのいるタナを見つけることが非常に重要。手巻きリールの中には水深を測るカウンター機能を搭載したものもあり、タナの把握に便利です。
また、アタリのあったタナで仕掛けを止めるために、糸を掛けておくフックが付いたものが使いやすいです。このような機能がないリールを使う場合は、アタリがあったタナを記憶出来るように1mごとにマークが付いたラインを巻くなどするといいでしょう。
おすすめのワカサギ用手巻きリール
それではおすすめのワカサギ用の手巻きリールを紹介します。
攻棚カウンターワカサギ
プロックスの「攻棚カウンターワカサギ」は、10cm刻みで水深がわかるカウンターが付いたワカサギ釣り専用リール。狙ったタナで仕掛けを止められる棚停止フックも付いており、ワカサギ釣りに必要な機能を備えたリールです。プラスチックがメインの素材なので自重は53gと軽量な点もメリット。また、定価も2000円と安価なことや、最初からナイロンライン1号が約50m巻かれているのも嬉しいポイントです。まずは安価な手巻きリールでワカサギ釣りを始めたいという方にはぴったりなリールでしょう。
クリスティア ワカサギ タナハンター
ダイワの「クリスティア ワカサギ タナハンター」も10cm単位で測定可能なデプスカウンターにタナストッパー機能も備えたワカサギ釣り専用リールです。また、すべりにくいラバー製のノブ仕様や、ワンタッチで着脱可能なスプールなど細部の使いやすさもこだわっており、扱いやすいリールとなります。こちらもプラスチックがメイン素材の安価で軽量なリールで、入門用におすすめです。
攻棚ラウンドワカサギ
プロックスの「攻棚ラウンドワカサギ」は、棚停止フックや糸の巻き取りが片寄りにくく細糸を扱いやすい幅狭スプールを搭載した、ワカサギ釣り専用の小型ベイトリール。しっかりとした作りのリールで自重は160gとやや重いですが、その分プラスチック製のリールよりもスプールの性能がよく、ごく軽量なオモリを落とす場合にもスムーズに回転するのがメリットです。
ワカサギ釣りでは活性が低い場合に、軽いオモリでゆっくりと仕掛けを落とすのが有効になるので、よりテクニックを駆使して数釣りを目指したいアングラーにおすすめとなります。
ワカサギスペシャルGT
シマノの「ワカサギスペシャルGT」は高性能なベイトリール。糸の巻き取りが片寄るのを防ぐレベルワインドや、フォールスピードを調整可能な「細密ピッチコントロール」など、ライントラブルを防ぐ機能をしっかりと搭載しており、ベイトリールに慣れていない初心者でも扱いやすいのが特徴です。また、サビに強く、スムーズに回転するベアリングの「AR-B」を2つ内蔵するなどスプール周りもこだわっており、ごく軽量なオモリも使いやすいリールとなります。
ワカサギマチック
「ワカサギマチック」はシマノが出しているハイグレードなワカサギ釣り用ベイトリール。「ワカサギスペシャルGT」をアップグレードさせたリールで、手返しを早めるハイスピードな巻上げが可能なギア比や、親指一本で糸を出し入れできる掛け合わせクラッチ、スプール交換やメンテナンスが簡単なクイックテイクダウン方式などトラブル防止&より釣果を伸ばすための機能を追加。1匹でも数を伸ばしたい、手巻き派本格アングラーにおすすめです。
<TSURINEWS編集部・渡辺竜平>