先日釣具店で買い物をしたついでに、小さいパンフレット形式の潮見表をもらった。これをぴらぴらとめくってみて、「へえ」と感心している。何もかもネットばかり見て賢くなったつもりでいるが、そもそも潮回りはかつてこんなふうにしかわからなかったはずだ。紙媒体の潮見表の内容や魅力をご紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
釣具屋でもらった潮見表
現在では潮見表は、多くのアングラーはネットで見るのではないだろうか?かくいう私もそうだ。ネットの情報を見て、長潮や若潮は避けるし、なるべく新月の中潮周りでアジング・メバリングに出かける。そういう経験の積み重ねで、自分の中に、潮による魚の動きを頭に入れてきた。
しかし、こうして紙媒体の潮見表を見ていると、ちょっと不思議の感に覚える。
「そもそも、一年間の潮回りが、どうしてわかったりするんだ?」
これなど、実際どうなんだ?いつの時代からか知らないが、人間は潮の動きというものを予測してきた。満潮・干潮の時間まで正確にわかる。さらにいえば、日の出や日の入りまでわかるのだ。そんな「長期的なこと」が、なにゆえこうして前もってわかるというのか?
なんでも教えてくれるChatGPTに訊いてみた
YOU:どうして潮回りがわかる?
ChatGPT:
潮回りがわかる主な理由は、月の引力と太陽の引力が地球上の水を引き寄せ、これが潮汐を引き起こすからです。潮汐は、地球上の海水面が定期的に上がったり下がったりする現象です。この現象は月の満ち欠けサイクルに関連しており、太陽も潮汐に影響を与えています。
主なポイントは次の通りです:
月の引力:月は地球に引力を及ぼします。地球上の水はこの引力によって引き寄せられ、水位が上がります。月の引力による潮汐が最も強いのは新月と満月の時期です。
太陽の引力:太陽も地球に引力を及ぼしますが、月の引力ほど強くはありません。しかし、太陽の引力も潮汐に寄与します。太陽の引力による潮汐が最も強いのは春分と秋分の時期です。
月と太陽の相対位置:月と太陽の相対位置が潮汐の強さに影響を与えます。月と太陽が地球上の異なる位置にあると、引力の合成効果が変わります。
潮汐のサイクル:潮汐は通常、約12時間と25分ごとに変化します。これは、月が地球を一周するのにかかる時間と関連しています。
これらの要因により、特定の地域や場所で潮汐が周期的に変動します。潮回りを理解することで、釣りや航海などの活動を計画する際に潮の動きを考慮することができます。潮の情報は潮汐表や潮流図を通じて入手でき、これらを利用することで潮回りを把握することができます。
――うーん。何か本質的な説明を受けた気がしないな。月と太陽の相対位置というのはなんとなくわかっているが、その「核」が私としては知りたいわけで、質問に対応した回答ではない気がする。要するに、「昔の人は偉かった」という結論に落ち着く?思えば、大昔の人が観測した春夏秋冬の「立春」などの季節感が、何百年もあとの現在もおおむね毎年同じ時期に来るのだから、それもすごいと思うのだが。
事前に情報をチェック
紙媒体ならではの見やすさもあって、潮見表はなかなか見入ってしまうものがある。私は釣り場でネットを見ると気持ちが白けてしまうのでなるべくケータイは見ないことにしているが、もちろん事前に潮汐は頭に入れていく。夕マヅメからのライトゲームアングラーなので、日没と潮の上げ下げは必ずチェックする。しかし、紙媒体の潮見表でも、ネットの潮見表を見ても、わからない要素もある。それはもちろん、当日の気象だ。
天気の一週間予報は、現代でもよーく外れることがある。かつての都知事の息子の気象予報士が「そんなのわかるわけないよお~」と嘆いていたが、実際そういうものなんだろう。人の観測力など自然の前ではたかが知れている。私はとにかく風速を気にするアングラーだが、「二日前まではほとんどわからない」と肝に銘じて、こまめにチェックする。
当日の天気だけは……こと釣りにおいては、何を見ても信頼できないものがある。
ノットの解説なども載っている!
最後の方まで紙媒体の潮見表を見ていると、ノットの解説も載っているから面白い。
図説で、さすがにわかりやすい。まあ……ノットに関しては現在の動画での解説が圧勝すると思うが、昔は基本的にこういうふうに学んだはずなのだ。それに、もちろん直で人に教わるとか。私も昔、友人のおじさんに教わった。思い出補正とか関係なく、実績からしてもそのノットが今でも最強だと思っている。
もちろんネットでも情報入手できるけど
むろん情報にたどりつくまでのスピード感ではネットが圧勝する。しかし、そうやって効率の側につくほど、釣りは面白くなくなってしまう。
どんな釣り物でも、ある程度からは自分で釣り方を作ることが面白いように、そもそも釣りはアナログで、自動で何か釣れてしまうわけじゃないし、そんなのはつまらない。だから今でも紙媒体の潮見表はまだまだ面白い。
<井上海生/TSURINEWSライター>