一般的にPEラインの細イト号数といえば0.5号までだろうか。ただ0.5号という号数はほとんど使われるものではなく、1つ上げて0.6号が細イト最強という感じがする。では0.5号から、ひとつ下げて0.4号はどうだろう?結構よく使われる号数だが、一方であまり使い方の印象が定まっていないものとも感じる。筆者の経験から0.4号の使用感を語りたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
0.4号の立ち位置と強度
PEライン0.4号は強度およそ8lbで細イトの範囲に属する。8lbといえば1lb≒450gと考えると450g×8=3600g。実に3.6㎏の強さがある。ちなみにラインの強度とは、「この重量を垂直に吊り下げても切れないよ」というもので、水圧や魚の引きがかかる水中での負荷を考えると、この5割6割と思ってドラグ設定した方がいい。
とはいえ3.6㎏の強さというと、0.4号の見た目の細さから言えば驚異的なものがある。まさしく細イト界最強と言えるだろう。
よって、PEライン0.4号の立ち位置としてはフィネスでは盤石号数、アジはもちろんのこと、ライントラブルがなければメバルやカサゴで切れるわけもない。「太さは強さ」という見方をすれば、劣化も遅く保ちが良い。
細イトと言っても0.2号と比べると実に2倍の太さがあるので、ラインの視認性も良い。視力に不安があるアングラーにとっても扱いやすいラインだ。
釣り物適正
続けて、PEライン0.4号でできる釣り物について、それぞれ紹介していこう。
メバル、シンキングでアジング
まずはメバルだ。細いPEラインといえばほとんどメバルがレーゾン・デートルで、メバルに始まりメバルに終わるといっても過言ではない。
0.4号といえばかなり強めのメバリングができる。ジグ単1g~5g、磯メバル、フロートでのメバリング。尺絡みのメバルとドラグフルロックで戦っても負けない。ジグ単0.8gまではラインメンディングできるので、小メバルも釣れる。
少々無理のある太さではあるが、アジングにも出番がないことはない。PEラインのネックである浮力を克服した「シンキングタイプ」と言われるものは水なじみがよく、これが大体0.4号からの展開となる。尺絡みのアジや、そもそもエステルラインを好まないアングラーはこれを用いるといいだろう。
アオリイカ
エギングにも用いられる号数だ。エギ2号、2.5号。イカのアタリが遠いときにはラインを細くすると効果てきめん。確実に反応が増える。キャストした後ある程度ラインを海面に浸けて濡らし、8割程度の力で投げれば切れることはまずない。
ライトブリーム、チニング
チヌのフィネス「ライトブリーム」で0.4号はアンパイ。魚を掛けてしまえば確実に取れる号数だ。5gや10gまでのジグヘッド・プラグを用いる本式のチニングにも使える。ラインが細いと底を取りやすいので、流れがある河川周りでも使いやすい。
タチウオ
タチウオワインドも15g以内のヘッドならOK。タチウオがF4以内なら抜き上げも容易だろう。タチウオは沖でも0.8号が基準(*大阪湾での筆者の印象)なので、ショアではそこまで太くしない方がいい。エギングロッドが流用できるので、秋はそのサオと2500番リールにPEライン0.4号で夕マヅメから夜の釣りが楽しめる。
その他、沖ではアジのバチコンゲーム、タイラバの最小号数とも聞く。非常に幅広く使えるラインなのだ。
汎用性も高いちょい太イト
ライトゲームではちょい太イト、若干強めの釣りでは魚に見えにくい細イト。0.4号はなかなか守備範囲の広いラインだ。筆者はスーパーライトショアジギングにも使っていたことがある。ジグが投げられるとなれば、いよいよ強い。
太すぎる、ともいえる
ただネックを挙げるとすれば、やはり本職といえるメバリングでは不安要素のまったくない号数でありながら、「太すぎる」という私感がある。これに閉口して結局0.3号まで落としたので、「ライトゲームの入門としてはまずい号数」というのが正直な印象。
PEライン0.3号も平均6lbの強さがある。ドラグ設定と技術で補えば、0.4号と同等の釣りができる。ならば0.3号と0.4号、どちらを使おうか、という話になる。もちろんすべては個人の感じ方だ。釣り場の条件によっては0.4号がマストで、0.3号など通用しないこともある。
<井上海生/TSURINEWSライター>