難病ALSと診断されて1年、腕も脚も弱ってほぼ歩けず、竿も振ることができない。そんな状況でも、釣り好きの私を助けてくれる雲野氏が、私のためにカヤックを連結改造してくれ、9月10日(日)に静岡伊東市の宇佐美海岸へ釣行した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・鵜殿順一)
宇佐美海岸でカヤック釣行
当日の天候は晴れで、風は東からの微風。水色は青で透明度が高く、うねりもなく極めて穏やか。台風通過後だったのでちょっと意外だった。
8時すぎに浜から出て、宇佐美湾の中央付近からやや左の水深50m付近まで行く。沖に鳥もいて、釣れそうな雰囲気。表水温は27度近くあるので、回遊魚にも期待が持てる。
釣友にホウボウヒット
ゴムボート釣りをされている方に声を掛けると、サバがいると言う。雲野氏はSLJ、私は鯛ラバ・グリーンカーリーネクタイを選択し、底から1秒強で1mくらいの速度で巻き上げてくる。すると、クククンと魚の反応。しかし、喰い込まない。
しばらくやるが喰い込まないので、沖の潮目に移動すると、雲野氏にヒット。いい引きでギュギュっと竿先が海面に突き刺さり、上がってきたのは35cmホウボウ。
底物狙いで40cm級ウッカリカサゴ
これを見てタイラバのカラーを変更し、中層の回遊魚狙いから底物狙いに絞る。風が少し出てきて艇が少し流れるようになったので、通常は着底と同時に巻き始めるタイラバの基本から少し外れて、着底でクラッチオン。ラインのゆるみをとり、そのまま流される速度で底付近をタイラバがゆっくり流れる状態から巻き上げる。
その動かし方で2回目、巻き上げに入った瞬間にギュギュギュンとドラグが滑る強烈なアタリ。だが、マダイの引きではない。ハタ類の引きでもなく、「なんだ?」と思いながらゆっくり巻き上げると、カウンターがあと数mというところで赤い魚がプカンと水面に浮いた。40cm級のウッカリカサゴだ。
鳥山狙いでシイラも登場
その後、流されたぶん漕ぎ戻ると、鳥がまとまって浮いている。よく見ると、どうやら捕食している様子。鳥が浮いた状態のまま捕食しているということは、小魚の群れを捕食魚が取り囲んでいるということだ。
雲野氏が根魚用ジグヘッドをキャストすると、シュッパっと襲ってくるエメラルドグリーンの魚体。シイラだ!60cm弱だったが激しく抵抗し、十分楽しませてくれたようだ。
ここで風が強くなり、13時半すぎに帰路に付く。久しぶりのカヤックフィッシング、実に気持ちよく楽しい時間を過ごすことができた。釣友・雲野氏のおかげだ。ありがとう。
<週刊つりニュース関東版APC・鵜殿順一/TSURINEWS編>
宇佐美海岸