たまに外食で焼き魚を注文すると紅白の生姜が添えられているのを見たことがありませんか?この紅白の生姜は「はじかみ」という葉生姜の一種で、普通の生姜と違い生のままでも食べられます。この「はじかみ」について調べてみました。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
ピンクの生姜は「はじかみ」
まず最初にあのピンクの食材の正体は「はじかみ」という金時生姜という葉生姜の一種を茎や根が柔らかくなるよう温室で軟化栽培したものです。
ひょろっと長く伸びた茎は根の近くになるにつれて赤くなり、根そのものは白。見た目が矢にそっくりなので「矢生姜」とも呼ばれたりします。
温室で栽培されているはじかみは通年で出荷されていますが、6~7月ごろは露地栽培のものが出回って出荷量が増えます。
生姜の生産地は全国各地にありますが、栽培に手間がかかるはじかみはほぼ愛知県でのみ生産されており、地元の特産品として知られています。
食べていいの?
このはじかみはどこまで食べて良いのか、そもそもたべていいのか迷う人も多いと思います。
どうやって食べたら良いのか迷っているうちに手が出せず残してしま人も少なくないでしょう。
このはじかみはもちろん食べることができますが、一般的には白っぽい根の部分だけを食べ、赤っぽい茎の部分は硬いため、基本的に食べません。
また、口直しのために添えられているので、メインの料理を食べ終わってから最後にはじかみを食べるのがマナーだと言われています。
焼き魚に添えられている理由
はじかみは、魚料理に添えられることが多く、その理由として期待できる効果は2つあります。
1つはサカナ独特のにおいを消して口の中をさっぱりさせる効果があること。そしてもう1つははじかみの爽やかな辛みと酸味が、食べた後の脂っぽくなった舌をさっぱりさせてくれるということです。
次の料理を食べるまでに口の中をリセットし、次の料理をお美味しく食べるために食べるんですね。
正体が分かれば食べられそう
焼き魚を注文したり、結婚式などの懐石料理に添えられていることで目にする「はじかみ」。未知の食材はどんな食べ物で、いつ食べればいいのかが分からないと、なかなか箸はのびないものです。
また、残さずとも焼き魚の上に乗っているため、一番に食べていた人も少なくないと思います。
正体や食べる順序を知ることで、より美味しく料理を楽しむことが出来そうですね。
<近藤 俊/サカナ研究所>