第41回のテーマは「流れ川で宙のヒゲセット」。管理釣り場のそれと決定的に異なるのがバラケサイズだ。野釣りは寄せてナンボと言いながら親指大超のバラケをテンポよく打ち返していった。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部 関口)
ヘラらしい美形をキャッチ
竿15尺タナ1本のヒゲトロで10時43分から打ち始めた吉田。ものの数投でヒゲ特有の消し込みで1枚目をゲット。
「ほら! 見てください。底よりも型がいいでしょう」
編み越しに差しだした魚体は、確かに底釣りとは異質の魚だった。
「底釣りの魚もヘラなんですが、どことなく長細っくて言葉は悪いですがマブナチックなんですけど、宙で釣れてくるのは迷いようがないヘラなんですよね」
まあ手賀沼水系アリアリの話だよね。底だとどうしても半ベラっぽい魚も交じる。でもこの魚は正真正銘のヘラだね。
1枚釣った直後はノー触り。管理釣り場ではないのだから、それも当たり前の話か。
「いえ、そんなことはないですよ。いい時合いになると連チャンもあります」
吉田は平気な顔をして打ち返しているが、記者から見るとやはり流れは速い。どう見ても宙釣りをやろうなどとは思えないレベルだ。
「流れは強弱します。とくに風が強いと手賀沼本湖の水が上下流へ動くので、それに引っ張られるように大堀川の水も動いてしまうんです。とくにこのポイントは最下流域なので、余計に影響を受けやすいですね」
ウキに触りが出る
でも今日は蒸し暑いから、むしろ風がほしいくらいだね。ところで今の流れは通常レベル?
「はい。とくに速いとは感じませんし、魚がもっと寄ってくると流れが緩やかになりますから、すぐにわかりますよ」
魚が仕掛けの流れを止めてくれるってやつね?
「そうなんです。だから今はまだそこまで寄っている感じはしません」
ドボン釣りとの明確な差は、やはり触りが出るという点か。食う食わないは別として、エサの近くに寄ってくればウキにそれが現れる。ゆえに次はどうしようかと対策を考えることもできる。まあ怠け者の記者なら、何もせずにそのまま打ち返すのがオチだが。
ちなみにファーストヒットから15分後に2枚目をゲットしてからは、記者でもわかるぐらい大きな上下動の触りが出始めていた。なのに、なかなか落とさない。
こういう時の特効薬はないものなのか?
「特効薬かどうかはともかく、ここではタナのエレベーターをよくやりますね。逆にエサのタッチを変えたりとか、そういうことはあまりしません。バラケはしっかりナジんでいればいいと割りきってます」
バラケのハリ付けも大きめ?
「大小の使い分けをしたりしますが、基本は大きめのバラケを打ちきってます。そうでなくとも宙釣りだと、魚の密度が触りやアタリの量に比例しますから」
エサを持たせて寄せる
なるほどね。野釣りは寄せてナンボの世界ってことね。
「はい。だからといって開きの早いバラケではヒゲトロには合いません。しっかりナジむことが前提なので、必然的にダンゴチックなタッチになります。そのうえで魚を寄せようとするならバラケサイズを大きくしたり、打ち返しのリズムを速めることでしか対応できないんです」
ちなみにバラケサイズは親指大よりもさらに大きい。ゆえに吉田のウキはトップが太いのね。ヒゲトロの釣りにしてはやけに太いなって思ったから。
「ペレ宙とかそういう目的で使ってもらおうと試作中のプロトなんですが、大きな(重い)バラケを必要とするセット釣りにも使えると思ってます」
と言うことは、まだシークレットね(笑)。
「はい。申し訳ありませんが……」
寄せてナンボ的なバラケを流れに合わせてテンポよく打ち返す吉田。必然的に魚の寄りが厚くなったが、今度は触るわりには落とさなくなった。そこで特効薬となったのが、吉田が言うタナのエレベーターだった。
次回も「流れ川で宙のヒゲセット」です。
<週刊へらニュース編集部 関口/TSURINEWS編>
大堀川・柏ふるさと公園前
釣り台必携。