第38回のテーマは「流れ川で宙のヒゲセット」。吉田がホームとする千葉県柏市を流れる大堀川での実釣取材。まずはオーソドックスにドボンで狙い、魚の状態を試してから宙釣りへ転向とのプランニングとなった。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部 関口)
通い慣れた大堀川へ
前回がわりとイージーな取材場所と釣り方だったので、今回は手ごわいシチュエーションにしたつもりだったが、まんまと吉田のワナにハマって結果的には吉田が得意とする釣り場と釣り方になってしまった。
「関口さんからいただいた指令は流れ川での宙釣りでした。それを聞いて実のところシメシメと思いました。だってビン沼以外ならどこでもいいと言うのであれば、ボクの通い慣れた川が該当しますから」
吉田が指示してきた釣り場は千葉県柏市を流れる大堀川だった。記者的には厳寒期にドボンで狙うというイメージが強く宙が効くなど思いもよらなかったからだ。しかし吉田にしてみればホームの釣り方。これはまんまとやられたなって。
関東地方の多くで猛暑日となった5月18日(木)の5時すぎ、吉田はすでに柏ふるさと公園内の護岸ポイントで準備を始めていた。
数日前に降った雨の影響が心配されたが、パッと見た感じだと流速は平時と変わらない様子。
まずはドボンで様子見
「これなら宙釣りが可能だと思いますが、念のため朝イチはドボンで様子を見させていただいてもいいですか? あとで必ず宙釣りをやりますので」
べつに構わないけど何でかな?
「魚の状態を把握したいんです。大丈夫だとは思いますが、ここは完全な野釣り場なので魚がいるかいないかの判断をしたいんです。これがもし宙釣りだと、いてもアタリを出さない=魚がいない、と誤った判断をしかねないので」
遊び釣りの時もそうするの?
「いえいえ、プライベートの時はいきなり宙釣りから始めます。でも今回は取材なので。あといつもは午後の半日とか夕方から竿を出すことが多く、今日のように朝イチから竿を出すのは実のところ初めてなんです」
なるほどね。ドボンなら仕掛けは止まっているから魚がいれば何かしらの反応は出してくれる。そうすれば魚がいるいないの判断がつく。そういうことだね?
「はい」
でも周辺でモジリもあるから魚がいないってことはなさそうだよ。でもまあ読者的には暖期のドボン釣りも見てみたいだろうから、大いにやってもらって構わないよ。ただし長くても半日だよ。
「了解しました」
魚の存在を確認
飛天弓閃光LⅡ18尺竿を継ぎ、まずはグルテンセットの外通しで狙う。以下は仕掛けとエサ。
将鱗へらスタンダード道糸1.5号、同ハリス0.6号20-35cm、ハリ上下とも極ヤラズ8号、ウキ吉田作ボトムGT4番、オモリ0.8号で水深は約1.2本(ウキ下1本半)。バラケはダンゴの底釣り芯華100㏄+水50㏄、食わせはアルファ21が50㏄+水70㏄。
5時30分にエサ打ちスタート。ところが流れも風も弱かったせいか、表層を漂う浮きゴミに苦戦させられる。ゴミが道糸に引っ掛かり釣りにならないのだ。
「こりゃまいったな。街中の川はこれが悩みのタネですね。でも昔に比べたらキレイになったほうですけど」
15分ほど四苦八苦させられたが、その後は流れがやや速くなったためゴミはいつの間にか流れ去ってくれた。すると5時50分に早くもファーストヒット。上流に入釣していた同じくドボン釣りの常連も、同時刻に竿を絞り、めでたく魚がいることが証明された。
もはやいるいないの心配は払しょくされたようだね。さっそく宙釣りに転向だろう!
「えー、もうですか。せめて両目が開くまでやらせてもらえませんか」
じゃあ、あと1枚だけだよ! と言いながら横で竿を振っている記者もドボン釣りを楽しんでいたのは言うまでもない。
ホームでの久しぶりの釣り。釣り方はどうであれ、まるで童心に返ったたような笑顔で竿を振る吉田を見ていたら、忙しい宙釣りはもうちょっと先でもいいかと思えてしまった。なんて軟弱な記者なんだ(笑)。
次回も「流れ川で宙のヒゲセット」です。
<週刊へらニュース編集部 関口/TSURINEWS編>
大堀川・柏ふるさと公園前
釣り台必携。