「ぶっちゃけ値段はどう決めてる?」 釣りウキトップメーカー『キザクラ』へ直撃インタビュー

「ぶっちゃけ値段はどう決めてる?」 釣りウキトップメーカー『キザクラ』へ直撃インタビュー

全層釣法でおなじみのキザクラさんの工場見学時にインタビューもさせていただきました。私が気になることや釣り人の疑問を代表して聞いてみました。製作秘話や釣り人の夢でもあるテスターの条件など貴重なお話を聞くことができましたので紹介していきます。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター多賀英二)

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多賀 英二

フカセ釣りメインでやっています。ターゲットはクロ、チヌ、タイです。山口県は北部、西部の磯や波止、大分、長崎、鹿児島など幅広くフィールドに足を運んでいます。釣り場であった際は、情報交換しましょう。国産ラインメーカーfathomのフィールドモニターとしても活動しています。

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インタビュー その他

ウキの制作について

今回、社長とスタッフの金子さん直々にインタビューすることができました。

Q:キザクラのウキの強みはズバリ?

A:A.M.R製法です。

*A.M.R製法とは、高強度のABS樹脂ボディのカプセルに硬質発砲ウレタン素材を注入したソリッド構造のことです。

「ぶっちゃけ値段はどう決めてる?」 釣りウキトップメーカー『キザクラ』へ直撃インタビュー A.M.R製法がキザクラの強み(提供:TSURINEWSライター多賀英二)

他社製品とは比較できないほどの強度を誇り、内部構造の安定で品質が安定しています。鉄製のウェイトを内蔵しておりウェイトも自社製作です。浮力設定はキザクラ独自の信念で設定しており製品毎のばらつきはありません。

Q:「A.M.R製法」に至った経緯は?

A:木材だけの製造を平成元年から木材とウレタン素材での同時生産を開始しました。塗料や形の成形時の研磨などで製品のバラつきがあり、製品の浮力設定の一定化と生産性の向上からボディにプラスチックカプセルを使うキザクラ独自の技術の「A.M.R製法」へと到達しました。

Q:浮力検査は特殊な機械で行っていますか?それとも手作業ですか?

A:基本的に機械で行っています。中には機械では計測できないものも出てくるのでそういった場合は手作業になってきます。

Q:ウキの浮力設定(検査)で条件はありますか?また使用時にその条件が当てはまらない場合の対処法を教えてください。

A:浮力検査の条件としては「快晴の日の有明海の塩分濃度」で行っています。太平洋や日本海など海域の違うところや雨水が入るなどすると塩分濃度も変わってくるのでそこは板鉛を販売していますのでそちらで微調整していただくのがオススメです。

「ぶっちゃけ値段はどう決めてる?」 釣りウキトップメーカー『キザクラ』へ直撃インタビュー キザクラのウキ制作(提供:TSURINEWSライター多賀英二)

Q:キザクラ=全層釣法のイメージが強いですね。

A:自分たちでも自社製品ウキを使って全層釣法の面白さを伝えています。また会社スタッフも釣りに行くので、その経験がウキ作りにフィードバックされています。誰がいつ使ってもいいように浮力の精度を高めていて、ウキ1個が完成するまでに30工程を行っています。

他社メーカーと比べて浮力の規格が0・0シブ・00が多めなのは独自技術(A.M.R製法)により、他社では真似できない浮力調整ができたウキ作りが可能になったためです。

テスターについて

Q:現在テスターは何人くらい在籍していますか?

A:90名以上います。製品を使用して感想をフィードバックしてもらったり釣果をSNSなどにあげたりしてもらっています。

Q:テスターになるには条件などあるのですか?

A:ありますね。やはり大会など競技の世界で好成績を残していることが最大の条件になってきます。この理由としては競技の世界で釣りをしていると考え方もストイックになりそれが実際、製品に現れてくると思うからです。

Q:フィールドテスターの意見は通りますか?

A:通ります。テスターから「ここを削ってほしい」や「シビアな浮力調整」など様々な意見を参考にしています。また社内のアイディアを製品化することもあります。

プロトのテスト回数は数十回を行うものもあれば2~3回でOKを出すものもあります。特に沈み方や視認性、遠投力なども大切ですね。作れば作るほど理想のウキの形がわかってきます。イメージできている形にピッタリと合わせていくことを求めています。

Q:1番開発で長かったウキは何ですか?

A:マイスターの鵜沢政則さんのウキ作りですね。鵜澤さんは初心者~ベテランまでが使うことを考えていて、打ち合わせだけでも数時間かかることもあります。鵜澤さんがイメージする言葉をいかに形にしていくのか試行錯誤するところで、製品によっては1年くらいかかることもあります。

釣り業界について

Q:エサ釣りの人気度はどうでしょうか?

A:エサとウキの販売は比例しているところがあります。国内では少し落ち込んできていますが、中国や韓国やベトナムではまだまだ人気のジャンルです。実際、海外でも販売しています。

「ぶっちゃけ値段はどう決めてる?」 釣りウキトップメーカー『キザクラ』へ直撃インタビューランディングシャフト450(提供:TSURINEWSライター多賀英二)

Q:渡船を使用していて近年ルアー釣りのお客さんが急激に増加してしていると感じているのですがメーカーさんも感じていますか?

A:それはすごく感じています。実際キザクラも「Arukazik japan(アルカジック)」でブランド展開しています。ウキなどのフカセ釣り製品のみならずルアーアイテムも豊富に販売しています。ちなみにArukazikは逆から読むと、kizakuraになります。

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