一口に「渓流釣りのハリ」と言っても、実に多くのバリエーションがある。これは、渓流という特殊な環境に対応するため、各メーカーが趣向を凝らした結果だ。今回は、数多の種類がある渓流バリの、エサや状況による使い分けにフォーカスしていく。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
ハリを使い分ける必要性
毎年春~秋まで楽しむことができる渓流釣り。一般的な釣りと違い、時期によって使用するエサが変わるのは、渓流釣りの大きな特徴だ。解禁直後はイクラから始まることが多く、そこから徐々にキンパク・ヒラタといった川虫へと推移。
雨天の増水時はミミズ、夏場や渇水時にはブドウムシ、果ては陸生昆虫を使用することもあり、それぞれ大きさが異なる。
ただでさえアワセが難しい渓魚達は、同じハリ・同じ号数をずっと使用していると、「アタリはあるのにフッキングしない」といった事態に陥る。こういったことに対処するため、ハリの使い分けは非常に重要となる。
エサによる使い分け
様々なエサをより自然に流していくためには、目立たないカラー・エサの大きさや形に合ったハリをチョイスするなど、エサによる使い分けがある程度必要だ。詳しくみていこう。
イクラ
イクラは初心者でも扱いやすい代表的なエサ。解禁直後はイクラにしか反応しないことも多い。中央の核にハリ先を通すとプチっと潰れてしまうため、薄皮を縫うように刺す関係上、軸が細めのハリが扱いやすい。イクラ専用のハリも存在する。
小型の川虫
シーズン初期のヒラタ、小ぶりなキンパク、ピンチョロの場合は、軸が真っすぐな袖バリ型だとエサを真っすぐに刺せる。川虫専用バリもあるが、渓流用のハリの大半は川虫に対応しているので心配はいらない。小粒な川虫をチョン掛けにして吸い込ませるスタイルなら、キツネ型のハリを使用するのも手だ。
大型の川虫
5・6月以降に使用するオニチョロ、クロカワムシ等の場合、エサそのものがそれなりに大きく(2cm以上)、良型がヒットすることも見越して丈夫なハリがいい。川虫専用、本流クインなどがこれに該当する。柔らかい竿を使用するなら細軸タイプも選択肢に入ってくる。
ミミズ
雨天、濁り時に使用するミミズも「きじ専用」という専用バリが存在するのだが、著者的には軸が真っすぐなタイプに、真っすぐセットする方が扱いやすく感じている。そのため、やや大きめの袖バリ形状がオススメだ。真っすぐセットするのが苦手な場合はミミズ通しを使用しよう。