口コミで上映延長&連日満席となった、ドキュメンタリー映画『浦安魚市場のこと』。企画経緯や注目を集める理由について、歌川達人さんにお話を聞きました。
(アイキャッチ画像提供:Song River Production)
見慣れた景色が少し変わる
――本記事で『浦安魚市場のこと』に興味を持った人へメッセージをお願いします。
舞浜で上映した時に驚いたのが、地元・浦安だからか、映画を観ながら話す人や観ながら泣いている人が多かったこと。普通は映画館では静かに観る人が多いと思いますが、この映画は観る人によって感じ方が違うからこそ話したり泣いたりしたくなるのかもしれません。だからこそ、映画館で鑑賞すると他の人の反応を知ることができ、面白いと思います。
それと、鑑賞した人が浦安の地を訪れるケースが多いことにも驚かされました。映画を観た後に漁業や魚、魚市場、そして浦安の見え方が少し変わるからだと思いますが、観賞後に「見慣れた景色が少し変わる」ところに、この映画の魅力があります。
漁業に携わる人たちにも観てもらいたいですが、そうした人が多く住む地域には映画館がないことも多いので、映画館以外の場所でも鑑賞してもらえるように自主上映会の依頼も積極的に受けていきたいと考えています。
今後の劇場公開予定
・神戸:元町映画館 4月15日(土)~4月21日(金) 12:10~
※4月16日(日)上映終了後、歌川監督による舞台挨拶
・東京:下高井戸シネマ 4月22日(土)~4月28日(金)11:45~
※4月22日(土)上映終了後、歌川監督による舞台挨拶
・新潟:シネウインド 4月22日(土)~4月28日(金)11:55~
※4月23日(日)上映終了後、歌川監督による舞台挨拶
・埼玉:深谷シネマ 4月30日(日)~5月/6日(土)17:40~*火曜休館
なお、自主上映会に関するお問い合わせ等については、『浦安魚市場のこと』公式サイトをご覧ください。
歌川達人監督プロフィール
1990年生まれ、北海道出身。映像作家。主にドキュメンタリーのフィールドで活動する。立命館大学映像学部卒業後、フリーランスとしてNHK番組やCM、映画の現場で働く。初監督ドキュメンタリー『カンボジアの染織物』がカンボジア、スペイン、ブラジルで上映され、ギリシャのBeyond The Borders International Documentary Festival 2018 コンペティション部門審査員特別賞を受賞。中編『東京2018 プノンペン』がFestival/ Tokyo18にて展示上映。短編『時と場の彫刻』がロッテルダム国際映画祭2020、Japan Cuts 2020などで上映。一般社団法人Japanese Film Project 代表理事。
『浦安魚市場のこと』イントロダクション
魚屋の活きのよい掛け声。貝を剥き続ける年老いた女性。年末のお客たちとお店の賑わい。古くから漁師町だった浦安には魚市場があった。工場汚染水の影響で漁業権を放棄し埋立地となった浦安にとって、魚市場が漁村だった町のシンボルでもある。そんな魚市場には、昼は町の魚屋、夜はロックバンド “漁港”のボーカルとして活動する森田釣竿がいた。時代の流れと共に変わっていく魚の流通と消費の形。脈々とつながってきた暮らしを謳歌する浦安の人々。しかし、その瞬間は、緩やかに、そして突然訪れる…….。
<TSURINEWS編集部>