全国各地で渓流釣りが解禁され、多くの釣果情報が耳に入るようになってきた。もともと味がよいことで有名な渓魚だが、より美味しくいただけるよう、キャッチ&イート派の筆者の持ち帰り方と下処理方法を紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
渓魚は非常に美味しい
私の地元・近畿地方で渓魚として扱われるのはアマゴ、ヤマメ、イワナの三種。どの魚も非常に味がよく、全国各地で養殖も行われているが、やはり自分で釣った天然の渓魚の味は別格だ。
調理法も塩焼きにはじまり、から揚げや天ぷら、燻製、ムニエルやソテーなど多岐にわたる。
筆者は25年以上釣りを楽しむ中で、「どのように処理すれば、より渓魚を美味しくいただけるか」と突き詰め、今回のやり方に行き着いた。参考にしてほしい。
渓魚の持ち帰り方
まずは、釣りあげた渓魚の締め方と、筆者の持ち帰り方を紹介しよう。
渓魚の活〆はナイフ不要
渓魚はもともと血が多い魚ではないので(海で釣れる降海型は除く)、ナイフを使用した血抜きは不要だ。また、川はできるだけ汚さないようにしたい。
締め方解説
渓魚の活〆は非常にシンプルで、渓魚の脳天(下画像の矢印)周辺を強くデコピンするだけ。
もしくは、石やノギスなどでスコンと叩いてやればOKだ。このとき、やや下を向いている目がグリンと上を向けば活〆は完了となる。
腸抜きは現地で行わなくてもよい
渓魚は鮮度落ちが早い魚ではないうえに、餌となっている川虫はもともと臭いが少ないため、身に腸の臭いが移りにくい。
むしろ身に水分が多く、身の切断面から水分が入る方がよくないので、現地で処理をしなくても大丈夫だ。ただし、腸は時間が経つと溶けてくるので、できるだけ早め(当日中)に処理するようにしよう。
ビクからクーラーへ
釣り中はペットボトル氷を入れたビクに入れるが、水分が回らないようにジッパー付きの袋に入れておくのがオススメだ。
帰宅する前にはきちんとクーラーへと移動させ、氷が直に触れないように注意が必要だ。
自宅での下処理方法
続いて、帰宅後の渓魚の処理についてみていこう。
ウロコはきちんと取るが、頭に関しては料理法しだいだ。筆者は塩焼きの際は頭付きで、それ以外は頭を取っている。
ウロコ取り
渓魚はウロコが非常に細かいので、台所の排水溝に目の細かめのネットをつけておくと、あとの処理が楽でよい。
また、腹・背中などにも細かなウロコがあるので、包丁で丁寧に取っておこう。
頭を残して処理する場合
頭を残す場合、腹の肛門から包丁を入れ、内臓を掻き出し、エラも取り外しておく。
もし釣り中にハリを呑みこまれ、ハリスを切ってキープした場合は、腸かエラにハリがあり危険なので注意しよう。
エラはそのままだと取り外しがむずかしいが、エラブタの下をカットすると、少々見栄えは悪くなるものの綺麗に取り除くことができる。
頭を取る際の処理
頭を落とす場合は、エラごと落とすことができるので、処理が非常に楽で速い。
胸ビレから頭をスパっと落としてしまい、そこから内臓を掻き出しておこう。
臭みのもとになる腎臓に注意
腹の浮袋の下辺りにある血合い、実はこれ、あまり知られていないが魚の腎臓だ。
浮袋と腎臓は包丁で綺麗に掻き取ったあと、キッチンペーパーやブラシで丁寧に取り去っておこう。