船からのウキ流し釣りで50cm級頭に大型クロ乱舞【長崎】40cm超イサキも

船からのウキ流し釣りで50cm級頭に大型クロ乱舞【長崎】40cm超イサキも

ここ最近、ホームの大分県南ではクロが不調で嘆くような釣果が続いている。しかし「大分が不調なら長崎が釣れる」と、昔から釣り仲間の間ではそのように格言として言い伝えられている。

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(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・石田一聖)

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船釣り エサ釣り

和丸でウキ流し釣り

週刊つりニュース紙面などの情報を見てみると、確かに長崎は好調のようだ。特に五島列島や平戸一帯など40cm超のクロがよく釣れており、多くの釣り人で賑わっているようだ。

そんな状況をうらやましく思っていた矢先、船からのウキ流し釣りで使用する50号の棒ウキを、西海市大瀬戸の和丸の船内に忘れていたことを思い出した。すぐに船長に電話し、ウキの所在を確認すると船内にそのまま置いているとのこと。すると、船長から「型の良いクロがたくさん釣れているから来ないか?」と、お誘いが。二つ返事でその誘いに乗った。

船からのウキ流し釣りで50cm級頭に大型クロ乱舞【長崎】40cm超イサキもウキ流し釣り仕掛け(作図:週刊つりニュース西部版APC・石田一聖)

今回は磯釣りではなく、船からのウキ流し釣り。この釣りは簡単に言うと、船からのカゴ釣りで一定の場所に船をアンカーで固定し、1mほどある長い棒ウキを使い、カゴにオキアミエサを入れて仕掛けを流していくシンプルな釣り。

常連に50cm級口太グロヒット

2月9日、午前6時すぎに大瀬戸港を出船し、ポイントまでは20分ほどで到着。早速その場所にアンカーを打ち船を固定する。その作業が終わると、いよいよ釣り開始。こちらはド素人、周りはいつもの常連さん3人で、手際よく仕掛けを入れていく。

さすが常連さん、いきなり1投目から30mほど流した所で、あの長い棒ウキがズバっと海中に消し込んだ。これは見ているだけでも楽しい。電動リールのモーター音が唸る中、上がってきたのはなんと磯ではめったに見られない50cm近い口太(クチブト)グロ。いきなり脱帽。仕掛けもオリジナルで、とにかく釣っている姿が手際よい。

船宿仕掛けで40cm級手中

私は、市販のお手本のような仕掛けを持ってきたのだが、数投やったところでオマツリしたりと散々な始末。それを見かねた船長が私の仕掛けを見て「それじゃ釣れんよ」と、船長の仕掛けと交換してくれた。その仕掛けを見ると、ただ単にミキイト(仕掛け長)が長く、元々使っていた市販の仕掛けの倍以上長い。

これで釣果が変わるのだろうか?疑問に思いながら仕掛けをなじませてからカゴのオキアミを、サオをシャクって出してしばらくウキを見ていると、一瞬でウキが海中に消し込んだ。まずは最初の貴重な魚なので、ゆっくりとリールを巻く。

そして上がってきたのは40cmくらいのクロ。やった、久しぶりの40cmクラス。こんなのでもと言ったら魚に失礼かも知れないが、今年は絶不調なだけにこれでも十分喜べるサイズ。船長の仕掛けが良いのだろう。

40cm超え大型イサキも登場

次々と釣果を上げていく。まさに入れ食い状態。とくにうれしかったのは40cmを超える大型のイサキ。脂が乗っておいしそうだ。このウキ流し釣りは(磯釣りに例えるなら)ある日突然、釣れそうな島影のポイントにA級磯が現れるかのような釣りなので、ほとんどボウズもなく、そして釣れるサイズも大きい。時には大型のマダイが釣れたり、イシダイが釣れたりと魚種も多彩。

船という足場を気にせずとても快適な環境で釣りができるため、磯などで数々の成果を収め、長く釣りをされてきた老練の釣り人が多い。私はこういった老練な釣りとは今はほぼ無縁だが、とにかく釣れるこの釣りはお年寄りに優しく、そして楽しい。強いて言うと、子どもや初心者こそ入門するのにふさわしい、この釣り方から釣りを覚えてほしいくらいだ。

そんなことを考えながら釣りをしていると、潮が動きさえすればどんどん釣れるような状況で、30cmくらいは全部リリースし、40cm以上をキープ。当日の最大は48cmの口太グロ。めったに見られないサイズに喜んだ。

常連は40Lクーラー満タン

しかし、常連のベテランさんたちとの釣果の差には驚いた。なんと40Lのクーラー2個が満タンなのだ。もちろん釣れた分は全て持ち帰るという前提で釣りをしているので当然の結果だろうが、それにしてもすごい釣果。時には3本バリにダブルヒットというようなこともあり、長崎のクロは活性が高いのだろう。「大分が不調なら長崎が釣れる」は本当だった。

磯でのクロ釣りも楽しいが数・型とも望めるウキ流し釣り。初心者にもオススメなので、ぜひ始めてみては。

<週刊つりニュース西部版APC・石田一聖/TSURINEWS編>

▼この釣り船について
和丸
出船場所:大瀬戸港
この記事は『週刊つりニュース西部版』2023年3月10日号に掲載された記事を再編集したものになります。