先日、2月4日・5日と、3年ぶりとなる「フィッシングショー大阪」が開催された。このご時世で……という気持ちもあったが、私事ながら身の回りが忙しく、釣りにもあまり行けていない状態だったので、気分転換もかねて金沢から大阪まで足を運んだ。筆者が気になったリールにと併せて、レポートしてみたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター笠野忠義)
フィッシングショー大阪
2023年のフィッシングショー大阪が開催された。さすがにコロナ禍前のような、館内が熱気で暑くもみくちゃになりながらお目当てのブースへ……とまではいかないものの、今まで我慢していた釣り人が思いを爆発させるような活気づいた会場であった。
お気に入りのテスターに会って質問したり談笑したり、お目当ての釣りガールに会って写真撮影したり、サインもらったり、デレデレしたり、実際に製品を手に取って吟味したり。楽しみ方は人様々。私も、久しぶりの雰囲気に酔いしれ、当然のことながら、夜は居酒屋で酔いしれた。
人が群がるブースを覗いてみた
今回のフィッシングショーはノープランで訪問。初日はぐるっとブースを訪ね、ダイワ・シマノ両社のリールのブースに人だかりが目立ち、その製品はシマノの「ヴァンキッシュ」と、ダイワの「エアリティ―」。
価格帯も発売時期も近く、待ち遠しく思っていたファンが殺到していたようだ。新作リールはどのような仕上がりなのか、スタッフに質問したり体感して、メーカーのテクノロジーを感じてきた。
SHIMANO 「Vanquish」
同製品で「2500SHG」と「C2500SXG」で巻き心地を比較。ギヤ比はHGで5.8:1 XGで6.3:1。速めに巻いてしまえばギア比にあまり関係なく「巻き心地いいね」となってしまう。肝心なのは低速で巻いたとき。巻き始めとスローリトリーブ時だ。
XGのほうが巻き出しは若干重く感じるであろうかと思うが、「大差なし」。XGの機種は手にしたことないので何ともいえないところだが、想像を超えて巻き出しも低速巻きも違和感や惰性で巻いているような感覚もなく、シマノ独特のシルキーな巻き心地であった。
試しに「C3000SDHHG」も試してみたが、ダブルハンドルでも変わりはなかった。巻き心地を体感した後、手にしながらスタッフに質問して再確認。ざっくりと「前回と変更になった点は?」と聞いてみた。
STELLAの技術がVanquishにも
STELLAの技術をVanquishにも盛り込んだそうで、ギアの歯面など設計を見直し耐久性に貢献。メインシャフトも特殊加工などを施して軽い巻き心地に寄与している。しかし、私が一番関心に思ったのは、「インフィニティ―ループ」という技術。コアなファンの方々はよくご存じであろうが、話を聞いて衝撃的であった。
「クロス巻き」ではなく「平行巻き」
「スプールの動きが低速なんです。それにより、ライン放出時のバタつきも抑えられ感度も上がるんです」。スプールに巻かれていくラインは「クロス巻き」が主流。細ライン使用時でもラインの食い込みを軽減したりトラブルを減らす……というのが一般的。
そのようなことから「クロスに巻かれる幅が狭くなるのでは?」と聞いてみたが、「いえ、平行巻きなんです。」と。話を聞いてハンドルを巻きながら、あえてよく観察してみたが、確かにスプールの動きが従来より遅いではないか!「よければ体感コーナーがあるのでぜひ寄ってください」と案内されたので、体感コーナーへ行ってみることに。
実際に「Vanquish」を体感
タイミングが良かったのか、すぐに順番が回ってきた。「少々お待ちください」とスタッフが機械でラインを巻き戻していたが、ラインが逆に巻かれる=キャスト時のラインの放出である。旧モデルと同時に巻かれていくので比較すれば一目瞭然!機械で巻かれているとはいえ、その差は歴然!放出されているラインのバタつきは全然違う。
スプールへの巻かれ方でこれだけ差が出るとは思ってもいなかった。スタッフの方にも話をしたが、そこに目を付けるとは、という感じでビックリされてしまった。
巻き心地はというと、「巻けるけど、ちょっとしんどいか?」という旧モデルに対して、「いや、全然巻ける」という新モデル。ピニオンギアとドライブギア・メインシャフトの変更からの恩恵であろうか。
いろいろ説明を聞きながら体感してきたが、最後にスタッフから一言。「スプールが低速で動いて、平行に巻かれるのはお解りいただけたと思いますが、ラインを巻いたとき、きれいに色分けされて巻かれていきますよ。見た目もきれいという声もあります。」と。
ラインといえば大抵10mごとか25mごとに色分けされているが、新しくラインを巻いても、ぐちゃぐちゃっと巻かれているであろう。だが、平行にきれいに巻かれていくのであれば、慣れれば手元である程度ラインがどのくらい出ているかわかることが想像できる。きれいに色分けされたラインがきれいに巻かれていくのだから視覚的にも気持ちがいい。衝撃的な印象を覚えたまま、その後はダイワブースへ。