ボート釣りでベイトリールを使用すると気になるのが海水によるリールへのダメージ。今回はそのダメージを最小限にするために必要なメンテナンス術について紹介する。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター山下洋太)
ベイトリールの特徴
ベイトリールは水が入りやすい特徴がある。スピニングリールよりも内部へ水が侵入しやすいため、海で使用したときにはより慎重にメンテナンスすることが必要だ。
ボートはリールにとって過酷な環境
塩分濃度が高い沖合で釣りをするボート釣りは、リールにとって最大の敵となる塩ガミを起こしやすい環境だ。また船が揺れて、海水がリールにかかり、内部にまで水が侵入してくることも。特に水を内部に侵入させやすいベイトリールは、ベアリングやギア周りについた海水が結晶化し、塩ガミが起こりやすい。
塩ガミを起こすとリールの回転性能が著しく低下し、釣りで使いものにならなくなってしまう。そのようなトラブルを避け、塩ガミを起こさないためにしっかりとメンテナンスを行いたい。
ベイトリールはいち早く洗浄する
ベイトリールを塩ガミさせずに長期間使用するために重要なことは、使用後いち早く洗浄することだ。使用後に素早く洗浄しないとリール内部で海水が乾き、結晶化してしまうことも。しかも新品で購入したベイトリールであっても、一度の使用で塩ガミしてしまうこともある。
特にボート釣りでは釣りが終了してから自宅に帰るまでが長いことも多い。釣りが終わってからリールをそのままにしておくと、リールの表面に塩結晶がついていることもある。そのようなことがリール内部で起こると、塩ガミにつながりかねない。そのため、ボートで使用したときには、釣り終了後、ただちにベイトリールを洗浄することをおすすめする。
ベイトリールのメンテナンス術
ベイトリールはボート釣りで使用した直後、帰宅後の2回にわけて洗浄するのがおすすめだ。それぞれどのように洗浄すればよいかボート釣りならではの視点も交えて解説する。
使用直後
まず釣りで使用したあとにはただちに水で洗い流したい。ボート釣りでは沖上がりのときにまず軽く洗浄することをおすすめする。まず、ペットボトルに水道水を入れたものを用意し、船に持ち込もう。洗い方はベイトリールのドラグを締めてペットボトルに入れた全体的にかけるだけ。
水に余裕があれば、スプール、レベルワインダー、ハンドルノブを丁寧に洗っておこう。洗ったら乾いたタオルで拭き上げて、波飛沫がかからないようにケースに入れてしまっておくことも忘れずに。
帰宅後
帰宅後にはより丁寧にベイトリールを洗浄する。その手順は以下の通りだ。
1.ドラグを締めて、水道水を掛けながらハンドルを回す。
2.クラッチのオンオフを繰り返しながら流水にあたる。
3.レベルワインダー、スプール、ハンドルノブを丁寧に流す。
4.数分間水で流し、しっかりと塩分を取り除く。
注意点としては、ハンドルを回しながら洗うこと。ベイトリールを洗うときには、リール内部に入って海水を水道水と入れ替えるイメージで洗うとよい。
注油などのメンテナンスも重要
ベイトリールはしっかりと洗い流す必要があるため、オイルやグリスが抜け落ちやすいと感じる。オイルやグリスが抜けると回転性能が著しく低下し、異音が発生することも多い。そのようなことを避けるために、まめに注油することもおすすめする。
<山下洋太/TSURINEWSライター>