夜釣りで3種類のイカを狙う『メタルスッテゲーム』を徹底解説

夜釣りで3種類のイカを狙う『メタルスッテゲーム』を徹底解説

多彩な魚種に出会える好釣り場の三重県・尾鷲湾。このエリアの冬の風物詩がメタルスッテを使用してヤリイカ、アカイカ(ケンサキイカ)、スルメイカを狙う「メタルスッテゲーム」だ。紀北町引本浦のエヌテックマリンから出船した釣行記をもとに釣り方を解説する。

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(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・橋本広基)

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30号のスッテで開始

ポイントの水深は40m前後。まずはメタルスッテの15号からスタート。海中へ入れるやいなや、ビューーンッと船尾方向に流されていく。お次は20号。これでも流され、25号でもビューーンッ。これではメインラインが海中で膨らみ、アタリが感じにくくなるだけでなく、斜めになったラインがイカに違和感を与えるなど、ヒット率が低下する。結局この日は持ち合わせのスッテで一番重い30号からスタートとなった。

夜釣りで3種類のイカを狙う『メタルスッテゲーム』を徹底解説潮の速さでスッテを使い分ける(提供:週刊つりニュース中部版APC・橋本広基)

開始から1時間。ライトの明かりが海面を煌々(こうこう)と照らし、そろそろアタリがあってもいい時間。しかし、海中へと斜めに入ったラインからは全くの無反応。濁りが強く、海中へ入る光量も心配だ。しかし、こんな時間でも船長や釣友との楽しいトークが心を和ませてくれる。

夜釣りで3種類のイカを狙う『メタルスッテゲーム』を徹底解説当日のタックル図(提供:週刊つりニュース中部版APC・橋本広基)

メタルスッテの誘いのコツ

特に私の師匠? 勝手に私が思っているだけかもしれないが、中井船長との釣り談義は非常に勉強になることが多い。
今回もイカの生態を理解した上でのアプローチ法には、非常に興味深いものがあった。それというのも、イカは優れた眼を持っており、視力が高いということは有名な話だが、どの方向が見やすいのかという話はあまり聞いたことがない。
私たち人間であれば、もちろん正面が見やすいわけだが、イカ類は足側の水平よりやや下方向が一番見えやすいということが、学術的に証明されている話を教えてくれた。これは中層を泳いでいるイカ類が海底方向のエサに対して見やすく、自らの位置に対して、上から下に通過するものの方が見失うことがないということになる。

夜釣りで3種類のイカを狙う『メタルスッテゲーム』を徹底解説イカの見やすい範囲(提供:週刊つりニュース中部版APC・橋本広基)

これらのことからメタルスッテゲームにおける誘いのアプローチでは、下から上方向へと誘い上げる場合、必ずアプローチの頂点で止めるのではなく、再度下方向へとフォールアクションなどで戻し、そのタイミングでイカをヒットへと持ち込む意識を大切にすることで釣果が大幅に変わってくるということだった。

夜釣りで3種類のイカを狙う『メタルスッテゲーム』を徹底解説基本的な誘い方(提供:週刊つりニュース中部版APC・橋本広基)

ファーストヒットはビッグなスルメ

そんなイカ談義に夢中になっていると、速かった潮流もやや収まり同船者に大型のスルメイカがヒット。私の集中力も一気に高まる。仕掛けは2段仕掛けのショートタイプ。上側には速い潮流でも、シンカーが舵の役割をしてくれ、動きが安定するエギタイプ。鉛スッテも15号程度で仕掛けが流されずナジむようになってきた。 するとここからはイカラッシュの幕開け。まずは水深15m付近でスルメイカがヒット。アクションは先ほどの中井船長の話をイメージし、ロッドを大きく振り上げた後はラインテンションを張ったままゆっくり沈める、もしくは一気にテンションを抜いてフォールさせ、リアクションでイカを追わせるなど、速度変化も持たせる。

夜釣りで3種類のイカを狙う『メタルスッテゲーム』を徹底解説スルメイカが連発(提供:週刊つりニュース中部版APC・橋本広基)

すると、ランテンションがフッと抜けたり、フォールが止まった際にガツンッとティップをたたくような明確なアタリが連発。ロッドは大きく弧を描き、スルメイカのダブルヒットでは、上腕二頭筋が悲鳴を上げるほどの強烈な引きだ。

ヒットレンジは10~20mが中心。どう猛な捕食者であるスルメイカは、海面付近の小魚を敏速に追い回すため、水深の上層付近を狙うというセオリー通りの展開だ。

夜釣りで3種類のイカを狙う『メタルスッテゲーム』を徹底解説スルメイカは引きも強烈(提供:週刊つりニュース中部版APC・橋本広基)

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