PR 釣り好きが漁師になって感じたリアルとは? 『漁業就業支援フェア2023』が開催

釣り好きが漁師になって感じたリアルとは? 『漁業就業支援フェア2023』が開催

これから漁師を目指す人、漁業に興味がある人へ就業についての情報発信しているのが「漁師.jp」。今回リアルイベントである【漁業就業支援フェア2023】が福岡市の国際展示場&カンファレンスセンターで開催される。主催/全国漁業就業者確保育成センター・事務局長の馬上敦子さんがフェアなどについての詳細をお伝えする。

(アイキャッチ画像提供:全国漁業就業者確保育成センター)

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目次

大分県漁業協同組合 佐賀関支店・木村真也さん(36歳)

釣り好きが漁師になって感じたリアルとは? 『漁業就業支援フェア2023』が開催トーナメンターとして優勝経験もある(提供:全国漁業就業者確保育成センター)

実際に漁師となった木村真也さん(36歳)のケースを紹介します。

漁業就業支援フェアに参加した年

2019年10月に福岡で開催されたフェアに参加したのですが、実はその前、どうしても佐賀関の一本釣り漁師になりたくて飛び込みで組合を訪問したんです。担当の高瀬さんに「漁師になりたい」と伝えたらフェア参加を勧められました。

ブースではどんな話を聞いた?

ざっくり一本釣りはこんな感じだと。「準備資金」「船を買うお金」「漁は厳しい」など、ポジティブなことは全く言われませんでしたね。「本当に大丈夫?」と聞かれましたし、ちょうどコロナが流行した時で魚の値も下がっていました。それでも迷いはありませんでした。

前職を辞めてなぜ漁師に?

漁師は子供のころからの夢でした。前の職場を退職したタイミングで一本釣りの漁師になろうと思っていたのですが、結婚して子供ができたタイミングで、漁師になりたいという気持ちがより強くなりました。以前から妻に相談してはいたのですが、「今すぐにやりたい」と伝えました。すぐに理解は得られましたが、生活面で大丈夫かなといった不安があることは感じ取れましたね。

佐賀関一本釣り漁師を選んだ理由

釣り好きが漁師になって感じたリアルとは? 『漁業就業支援フェア2023』が開催荒波の中、漁をする木村さん(提供:全国漁業就業者確保育成センター)

これには訳があります。釣り漁しか興味がなかったんです。父親と佐賀関によく釣りに行ってたんですが、当時は大船団が漁に出ていました。その姿が本当にかっこよくて、ずっと目に焼き付いていました。波止場の横を通るのですが、2時間もかけて出て行く光景が圧巻でした。もちろんその間に釣りはできません。そして、地磯に父親といった時に荒波に漁船がもまれている光景も凄かったのが印象に残っています。佐賀関の一本釣りはかっこいいなと、当時から思っていましたね。

一番悩んだこと

釣りは任せろ!といった勢いでしたが、親方について修行してみるとイメージとのギャップがあり、自分の釣りは全く通用せず、”漁師の釣り”は難しいと痛感しました。フェアの方が間に入って紹介していただいた親方に弟子入りしたのですが、修行してもらって必死で覚えました。

1年間の修行で過酷だったことは、冬のブリ漁です。波が凄くて動くのもままならない。つかまっていられないほどの大波です。慣れるまでに時間はかかりました。一本釣りでの手釣りは、8~10本のハリ全部に5~6kgのブリが掛かります。親方は10本バリ、自分は3本バリから始めたけど、それでも全然上げられませんでした。今は10本バリでも大丈夫です。漁師になってから10kgの筋肉が付きました。

親方はどんな人?

とても面倒見がいい親方でした。すごくお世話になったし、何よりも腕が抜群です。親方は体調が悪い時でも、弟子に教えようと沖に出てくれたこともありました。そのおかげで今の自分があると思っています。修業期間が1年間しかない中で、自分の弟子を立派に独り立ちさせてくれようと懸命に努力して教えてくれました。親方がいたからこそ独立でき、ずっと息子みたいに接してくれましたね。

漁師に釣り好き多い?

正直、周りには少ないですね。地元に生まれて代々受け継いで漁師をしている人がほとんど。ただ漁業就業支援フェアで釣り具メーカー勤務から漁師になった人も関西にいます。8年目です。私もよく磯釣りをしていたのですが、漁そのものが釣りなので頻度はかなり減りました。

釣り人は漁師に向いてる?

これは結構難しいですね。「釣りが好きだから漁師なる」は無理だと思います。根っからの釣り好きは大丈夫だと思いますが、時間もなかなかないし、漁の仕掛け作りも時間がすごくかかる。「割り切って好き」「根っから好き」かどっちかです。よっぽど釣りの素人でない限りは向いていると思います。

漁師に興味がある人へメッセージ

漁師になりたい人には魅力的な業界ですし、伝統ある漁法の継承を一緒にして、次世代に残していきたいですね。まずは漁業就業支援フェアへの参加がお勧めです。

<TSURINEWS編集部>