厳しい冬も終わり、今年はフィッシングショーも復活した。いよいよ渓流のシーズンが近づいてきた。そこで今回は、仕掛けの流し方で重要となる上波と底波、反転流について解説したいと思う。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 石橋英之)
ICパターン
さて最後はICパターンとYパターン。ICパターンは写真(4)のように、上流域の流れ込みやエン堤下の落ち込みの両サイドに現れる反転流だ。写真(4)の場合だが、石の狭い間から流れ込むと、メインの流れは勢いよく下流に流れる。
この両サイドに流れる反転流が発生する。先述の落ち込みの両サイドも同じだが、この反転流は上波と底波が一緒で比較的流れも緩く、直接仕掛けをナジませることができる。
仕掛けを直接反転流に入れ、そのポイントで一周させる。ここでアタリがないときは、サオで仕掛けを流れにねじ込む。通常白泡が切れる所が一級ポイントになるが、ここも直接仕掛けを入れることはできないので、反転流でナジませてから流すイメージだ。
このICパターンの反転流は、魚を掛けるポイントと仕掛けをナジませて流れ出しを狙うという2つの要素がある。エン堤では先ほどの反転流の入れ方と、このICパターンで入れる方法があるので、同じポイントでも2種類の釣り方で攻めるといいだろう。
Yパターン
Yパターンだが、これは上流域から本流までよく見る。川には流れの筋がいくつもあり、この流れが合わさる所がYパターンだ。魚はこの合わさる所でエサを待っているわけだが、魚にとって本命の流れがあるようだ。
図(3)だが、以前本流で釣っていたときに図(1)の流れでエサを流すと、エサは取られるもののハリに乗らない状況が続いた。
そこで今度は図(2)の流れから流すと、きれいに目印が入り30cmオーバーが一発で掛かった。この時は魚が図(2)の流れを意識していたことが分かる。アタリがあってもハリに乗らない場合は、流す筋を変えると良い。
解禁日などで目印が横に走るアタリが出ることがあるが、これは上流から魚がエサを追いかけ反転したときに出るアタリだ。魚の活性が良い証拠だが、少しポイントがずれていることが分かる。ポイントが合っていれば目印が止まるアタリになるので、流す筋を調整するといいだろう。
仕掛けの工夫
サオは仕掛けをナジませて流芯に誘導したり、仕掛けを張ったりする操作を考えると、チューブラ穂先がやりやすい。ソリッドは食い込みが良く、細仕掛けが使えるメリットがある。
私は解禁日の朝一の食いが良いときはチューブラを使い、ヨレを重点的に狙って数を稼ぐ。スレてきたところで、ソリッドに替えて細仕掛けで流す。
細仕掛けの最大のメリットは上波の影響を受けにくく、底波に入れやすいこと。実際に0.15号のラインに1号のオモリと、0.2号のラインで同じ1号のオモリを使ったときに、明らかにナジむスピードが変わった。ポイントに合わせた仕掛けを選ぶことも大事なことだと思う。
最後に
コロナ過で趣味の世界にも変化が出てきた。渓流釣りは密を避けてできる楽しみだが、ゴミの持ち帰りや解禁日の場所取りなど、マナーを守って楽しんでほしい。
<週刊つりニュース中部版 石橋英之/TSURINEWS編>