冬に人気のエリアトラウト釣行を満喫【岐阜】 スプーンで数釣るための4大要素とは?

冬に人気のエリアトラウト釣行を満喫【岐阜】 スプーンで数釣るための4大要素とは?

冬の釣りとして定番の人気ジャンル、エリアトラウト。12月8日の釣りの舞台は、岐阜県瑞浪市の管理釣り場、フィッシングキャンプエリア瑞浪だ。今回はこの日の釣りの流れとともに、エリアトラウトで釣果を出すためのコツや、状況へ対応するときに何をどうするのかという説明など、自分がどうやって釣りを組み立てていくのかをお届けしたい。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)

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トラウト ルアー&フライ

スプーンの数釣りで重要な4大要素

1号池は水深が最大3.5mと深く、濁っていて水中の様子が分からないため、スプーンメインで探っていく。スプーンでの釣り方は、先ほども少し触れたが4つの要素「レンジ・スピード・アクション・カラー」を魚の気分に合わせていくことが基本となる。

その中でもレンジ(タナ)は優先度が最も高く、ここがしっかり合わせられないと、他の要素が合っていても反応を得るのは難しい。これはエリアトラウトに限らずどんな釣りでも共通なので、イメージしやすいだろう。

レンジを探るには、スプーンを沈める時間でカウントを計り、リトリーブするレンジをズラしていく。1号池の場合、着水後9カウントでボトムに着底したので、浅い所が探りたければ着水即巻き~2カウント、水深の半分を引きたい場合は4~5カウントで巻くというように攻める。

でもレンジを把握しようにも他の要素が合っていないと反応が出ないのなら、何から手を付けていいのやら、少々とっつきにくく感じるかもしれない。

なので、状況把握の短縮テクニックとしてまずスピードとカラーを決め打ちしてしまう。まずスピードは、その時投げているスプーンがレンジキープするスピードの範囲で、かつスプーンの泳ぎが崩れない程度にゆっくり巻く。速く巻いて釣れるのは高活性時の限定された状況が多く、基本的にゆっくり巻いた方が釣れることが多いためだ。

カラシ・黄色系が万能

次に使用するカラーとは、ズバリ万能色のカラシ系・黄色系カラーだ。個人的な経験から、基本の4大要素の中ではカラーが一番優先度が低い。特定のカラー1色のみじゃないと釣れないなんてことはあまりなく、大抵の場合は魚が食ってくる色は何色もあることが多い。

冬に人気のエリアトラウト釣行を満喫【岐阜】 スプーンで数釣るための4大要素とは?使用したスプーン(提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)

その中でも、カラシ系・黄色系カラーはどの釣り場・状況でも反応が得られやすい色なのだ。カラーは単色、表裏別色(大抵裏面の方が暗い色が多い)、差し色で他の色が混じっているものでも可だが、メタリックカラーはまた別の要素になるため原則「光らないカラー」を使う。もしこれでレンジの探りを入れてみて全く反応がないときは、スプーンのアクションやカラーを変えてまたレンジを探すという流れだ。

カウント3~5で反応あるも食いは浅い

最初に選んだスプーンは、魚を寄せる力の強いバンナ1.4g。表層から徐々に下にレンジをズラしながら探ると、カウント3~5で魚の反応が出た。ツンというアタリだったり、ラインがちょっと動く程度の小さなものまであるが、これらはほぼ魚のアタックによる反応なので、見落とさないようにしたい。

そのうちにしっかりとスプーンを食った魚がヒットしてアタリも続いたが、どうにも食いが浅いようで掛けそびれたりバレてしまうことが多かった。これが水温低下の影響だろうか。

その後何度か立ち位置を移動して、ボチボチ魚を釣ることができた。しかし、悪くない反応の頻度の割にはアタり方がイマイチで変な掛かり方をし、フッキング時に一瞬乗ってすぐバレたり、ヒットしても途中でバレたりが連発した。

改善策としてラインを変更

ここでいったんお昼ご飯を食べて休憩し、次はこの「乗らない・バレる」の改善へと動いた。

ここで行ったのはライン種類の変更で、ここまで使っていたエステルラインをやめ、フロロカーボンラインを巻いた替えスプールを装着。エステルラインは伸びが少なく感度が高いのがメリットだが、こちらがアタリを感じやすい反面、魚にも違和感を与えやすい。水温低下で食いが浅いこの日、その違和感を嫌っているのかもしれない。

冬に人気のエリアトラウト釣行を満喫【岐阜】 スプーンで数釣るための4大要素とは?昼はフードコートも営業(提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)

また、その伸びないというクッション性のなさが、この日の食いの浅さでフッキング時マイナスに働いて、口先に浅掛かりしていると感じた。そのため、エステルよりも伸びのあるフロロカーボンラインという選択で、魚の口にフックが残りやすくなることを狙った。

するとどうだろう、効果はてきめん。フッキングすればきちんと掛かるし、掛かったらバレなくなった。これには横で見ていた本紙記者も驚いていたが、たったこれだけのことが釣果を左右するのはよくあること。エリアトラウトの奥深い部分だ。ロッドの硬さやテーパー、ラインの種類の組み合わせなど、状況に合わせたタックルセッティングができるようになると、釣果も伸びるし楽しみ方も増える。釣りが一層面白くなるだろう。

よりゆっくり引くためにスプーン変更

ここまでほぼバンナしか投げていなかったので、次はスプーンをローテーションしてバスター0.7gをチョイス。ウエートを軽くしたのは、同じレンジをよりスローに引くため。また、バンナの強い動きにスレてきている感じがしたので、より弱いアクションのスプーンとした。

冬に人気のエリアトラウト釣行を満喫【岐阜】 スプーンで数釣るための4大要素とは?受付のあるハウス(提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)

追いきらず食いが浅いようならもっとゆっくり引き、食わせに寄ったアクションでお魚さんの気分に合わせてやろうという魂胆だ。軽いスプーンはよく小さいから釣れるんだという見方をされるが、どちらかというとこのようにスピード変更(ゆっくり引く)のための手段だ。軽いスプーンでばかり釣れる状況は、ルアーが小さいから釣れているのではなく、ゆっくり引かないと釣れない状況である、ということが多い。

魚が上ずりヒット連発

魚も少し上ずったのか、カウント3ぐらいでアタリが多くなりヒット連発。スローに、動きを弱くする作戦が的中したようだ。カラーは表黄色系、裏が黒のカリプソオリカラ「鬱金」の反応が良く、他の色も探ってみるとブラウン系も良さそうだ。

そこでバスターと同じシチュエーションで使えて動きの違う、ティーチ0.8gトレンバーブラウンも投入してみると、これまた連発。

冬に人気のエリアトラウト釣行を満喫【岐阜】 スプーンで数釣るための4大要素とは?管理釣り場で30cm級ヒット(提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)

こんな感じで、スプーンでの釣りは基本の4大要素「レンジ・スピード・アクション・カラー」をその日の魚の状態に合わせてしまえばそれでOK。「この冷え込みは……正直ちょっと日が悪いかな?」と内心思っていた当日のコンディションでも、しっかり釣果を得ることができた。

キャッチできた数は20数匹とそこまで多かったわけではないが、食いが浅いとはいえ反応自体は多く、リールのラインを変更するのがもうちょっと早ければ取りこぼした魚ももっと拾えたはず。そこは自分の判断が遅かったということで。

これからこの記事が紙面に載るころには冷え込みも進み、水温が安定することが想定される。低水温で魚が沈み、反応するレンジはもっと下がるだろう。年末年始は放流が多いので魚が増え、その後はもっと良い釣りが期待できそうだ。

<週刊つりニュース中部版 松尾尚恭/TSURINEWS編>

▼この釣り場について
フィッシングキャンプエリア瑞浪
この記事は『週刊つりニュース中部版』2023年1月13日号に掲載された記事を再編集したものになります。