冬になると美味しくなるカキ(牡蠣)。新鮮さが何よりも大事なこの貝、一大消費地である首都圏にはどこから届いているのでしょうか。
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どっちが美味しい?
広島産のカキは、カキ筏での養殖が主流となっています。これは沖合に浮かべた筏から、紐でつないだカキの稚貝を海中に下ろして育成するというもので、大量生産が可能です。さらに、たくさんの塊になって育つので水揚げからむき身にする作業が容易であり、結果として比較的安価に流通するのが特徴。味わいがさっぱりしているため、たくさん食べられるのも魅力です。
一方、木更津で行われているような干潟でのカキ養殖は、一つずつばらばらに生育するので殻ごと流通することが多くなります。大量育成には向かない養殖法であり、結果として筏で養殖されたものよりもやや価格が高くなりがちですが、味は明らかに濃厚で、一つ一つに食べ応えがあります。
このように、いずれの産地のカキにも一長一短があり、甲乙つけがたいものとなっています。最終的には好みで選ぶしかないといえそうです。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>