サカナの生食に伴う6つの代表的なリスクと回避方法 鮮度は関係なし?

サカナの生食に伴う6つの代表的なリスクと回避方法 鮮度は関係なし?

今回はサカナを生食する際の6つの代表的な危険性と回避方法についてお伝えします。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

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サカナ研究所 その他

生食リスク5:イクシオヘモトキシン

あまり聞き馴染みのないものかもしれませんが、日本人が大好きなウナギの血このイクチオヘモトキシンが含まれています。

イクチオヘモトキシンという名称は特定の化学物質を指す名称ではなく、あくまでウナギやアナゴ、ハモ、ウツボといったウナギ目の魚類が持つ神経毒の通称です。

また、ウナギの血液に含まれる毒には固有の名称はなく、明確な化学構造も明らかになっていません。

サカナの生食に伴う6つの代表的なリスクと回避方法 鮮度は関係なし?ウナギ(提供:週刊つりニュース中部版APC・石川友久)

正確な毒性も不明で、ウナギの血を大量に摂取した場合、下痢、嘔吐、呼吸困難などの症状が現れ、最悪の場合死に至ると言われています。

また、ウナギの表面のヌメリにもこのイクチオヘモトキシンが含まれており、その手で目を触ったりすると失明の可能性もある非常に危険な物質と言えるでしょう。

回避方法

フグなど他の有毒な魚と違い、ウナギの場合は調理師免許はいらないため一般人でも調理可能ですが、十分に注意して調理する必要があります。

自分でウナギを調理する場合には必ずゴム手袋をするなど対策するようにして下さい。

また、加熱すれば全く問題ないので、完全に火が通るまでしっかりと調理をすることが大事です。

生食リスク6:ワックスエステル脂質

サカナの旨味を表現する際に、脂の量を比べることがりますよね。

例えば大トロを食べると、「口の中で溶ける」などと言います。

大トロを食べても人体には害はありませんが、サカナの中には人体では分解できない脂質を持ったサカナがいます。

サカナの生食に伴う6つの代表的なリスクと回避方法 鮮度は関係なし?40kg級のアブラソコムツ手中(提供:週刊つりニュース関東版 高久瞳)

この脂を持ったサカナはアブラソコムツなどの深海魚にしばしば見られ、人体で消化されないワックスエステル(いわゆる「蝋」)でできています。

そのため、大量に摂取すると皮脂漏症(皮膚から油が漏れる病気)を起こしたり、消化吸収されなかった油脂が肛門からそのまま漏れ出したりし、下痢や腹痛を起こします。

また、油脂が肛門から出る際には、便意は一切生じず、そのまま垂れ流す状態になると言われ、食べる際に強い覚悟が必要になります。

回避方法

まずはワックスエステルを含むサカナなのかを知ることが大事です。基本的には深海魚い多く含まれているため、岸から釣れるようなサカナにはまず含まれていないでしょう。

また、該当のサカナ食べる際には網の上でよく焼くなど脂分を取り除くようにしましょう。食べ慣れていない方は、少量から食べるようにするといいでしょう。

<近藤 俊/サカナ研究所>