例年10月~11月にかけては生きエビ(シラサエビ)をエサに、中小型クロダイの数釣りが楽しめる絶好のシーズン。気候的にも過ごしやすい季節であると同時に、比較的簡単にクロダイが釣れるということもあって、初心者の入門には最適。そこで、今回も素材工房テスター2人による実釣記をまじえた秋のクロダイ攻略法を紹介していただきます。
(アイキャッチ画像提供:えさきち)
水潮を克服して良型クロダイ
今年は雨の日が多く、三重のフィールドも日むらの多い状況である。今回は三重県・英虞湾の田畑渡船に足を運んだ。湾内にはたくさんのカキ棚が掛けられ、クロダイのストック量も多い人気のスポットだ。
雨天の中釣行
この日はあいにくの雨、そこで湾内にある大きな屋根付きのイカダに乗り込んだ。同イカダは魚の通り道となる場所に掛けられた水深10mほどのポイント。
当日のダンゴは、素材工房のブルーステージプレミアム1箱、やわらかおから1袋、貝粉末1/2袋で、水分は強く握って形成できる程度からスタートした。さらに集魚として素材工房のオキアミミックス、サナギミンチを状況に合わせてダンゴ混ぜ込ませる。
エサ取りが多いと想定して、さしエサはアケミ丸貝、カニ、コーン、サナギを用意。コーンには素材工房のバニラ粉をつけてダンゴアタリを促進させる。カニやアケミ丸貝をさしエサにするときはハリの大きさにこだわりたい。硬いエサは吸い込んで吐く感じのアタリになるので、大きめのハリで掛けにいきたい。
使用タックル
ロッド:プロトタイプロッド 150
リール:セイハコウSP RC83
ライン:フロロリミテッド5lb
オモリ:0.5~7g
ハリ:活エビ専用8、9号、ウルトラ競技チヌ2号、3号
ダンゴ釣りで本命登場
早速落とし込みで様子を見てみる。前日の大雨の影響で水色はカフェオレ色。底まで水潮が入ってないことを祈りながら周囲を探る。雨が降ったりやんだりと曇り空なので広範囲も探ってみた。
すると、早速ひったくるようなアタリから現れたのはキビレだった。やはり水潮が影響していると感じ、底の状況はどうかとダンゴ釣りで進めていくと、エサ取りも活発になりはじめボラもダンゴに反応しだした。
ヒイラギが遠のき好感触と感じた時、釣友が良型のクロダイを仕留めた。聞くと、バニラコーンのダンゴ釣りで、ダンゴアタリからエサ出し後、きれいに押さえ込むアタリだったとのこと。40cm級の体高がありとてもきれいな魚体である。
エサ出しを遅くし本命追加
私も同じくダンゴ釣りを進め、ダンゴに反応があれば自然にエサが出るようにラインテンションを緩めて、ダンゴからエサ出しを遅くしてクロダイをダンゴに近づける。型は小さいが、私もぽつぽつとバニラコーンのダンゴ釣りでクロダイが釣れ始めた。
この日は、込み潮のタイミングで急に魚の反応が弱くなる。水潮の時によくあるパターンで、暖かい潮が入ると冷たい水が下に落ちて魚が浮くパターンである。そこで、前方からアケミの半貝をふわふわとゆっくりアピールしながら落とし込んでみると、手のひら強のキビレがヒット。やはり魚は浮いている様子だ。
当日の釣果と今後の展望
午後からは潮がわりなので、この状況で納竿を迎えそうだと推測して浮いたキビレを仕留めることにした。最終的には、釣友と2人でクロダイ45cmを頭に5匹と、キビレ9匹の釣果となった。
今後、秋の訪れとともにシラサエビのダンゴ釣りで数釣りが楽しめる時期になる。季節的には暑さも和らぎ本格的な数釣りシーズンに突入し、カカリ釣り入門にはもってこいだ。秋の台風通過で海の状況が良くなることを祈り、次回の釣行に期待したい。