日本のみならず、世界で食材として愛されるタコ。乱獲による資源減の対策として養殖技術の開発が進められてきましたが、反対を唱える人も少なくないようです。
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タコ養殖事業が非難されるワケ
しかしそんな画期的なタコ養殖事業に対し、大きな壁がそそり立っています。国際的な自然保護団体や研究者の間から「タコの養殖は非人道的である」という強い非難の声が上がっているのです。
非難が巻き起こっている理由は、タコの知能がとても高いこと。彼らはその8本の足を使って餌の入っている瓶の蓋を開けたり、自然界でも貝殻を道具として用いるなどの行動が観察されており、無脊椎動物の中では屈指の知能の高さを誇るとされています。
そのため、密集させて育てることの多い商業養殖は「倫理的に問題がある」のではないか、という懸念が挙げられているのです。
スペイン同様にタコの大消費国である我が国でも、タコの養殖に関する研究が進められています。そのため今後、この問題は我々にとっても無視できないものとなっていくかもしれません。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>