新しい釣り場を開拓しようと、和歌山県の水軒一文字に初めて挑んだ。慣れない釣り場で悪戦苦闘の繰り返しの末に、4度目の釣行でようやくこの地域の名物の平鯵(ひらあじ)3匹を手中にした、へっぽこ釣り師の釣行記を綴らせていただきたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)
7月17日に4度目の釣行
どうしても大きな平鯵の数釣りがしたいと、捲土重来、7月17日に4度目の釣行に挑んだ。
当日は大勢の釣り人が早々と訪れ、2時過ぎから早々とおかみさんの仕切りによるコロナ対策の検温がスタート。駐車場は2時40分過ぎに入口封鎖され来場打ち止め。勝手のわからない一見の釣り人達が乗船手続きにまごついてひと悶着が生じる一幕があったが、私は過去の釣行で渡船の公式ルールも暗黙のルールもインプット済なので、スムーズに一連の手続きを済ませ、3時の繰り上げ始発便に乗船することができた。
時合いは短いので、乗船手続きの時に9時迎えの臨時便での引き上げもおかみさんに申し込んでおいた。なお、早めの臨時便引き上げを希望する場合は、乗船手続きの際に申し込んでおく必要があるので注意のこと。
遠投カゴ釣りのタックル
当日のタックルは磯竿5.4mの遠投5号に、ミチイト3号のスピニングリール、鉛入りの遠投棒ウキ10号にクッションゴム、中通しパイプテンビンにハリス3号を長めにとってのチヌバリ2本バリ仕掛けをセッティング。夜明け前の集魚効果を狙って、ハリスの上のほうにケミホタル50のブルーを付ける。まきエサカゴは小さめのサイズとしたかわりに、オモリは8号にして、空気抵抗を減らしつつ重量感を持たせる組み合わせとした。
参考までに常連達のスタンダードなタックルを紹介すると、磯竿4号にロケット羽ウキ、金属製の細身のテンビンに、遠投専用カゴオモリという組み合わせが多いようだ。
さしエサはオキアミ、まきエサはアミエビ主体で少量のオキアミを混ぜ、超遠投にも堪えるようカゴにはきつめに押し固めて詰める工夫を施した。
平鯵が2連発
船着場は悩んだ末に前回と同じ新波止の4番を選択し、やや3番寄りの場所に釣り座を構えた。ウキ下6ヒロ半に設定して、3時半ごろから釣り始めたが、自分も周りも釣れない時間が続く。
過去3回の釣行でも釣れ始めたのは夜明け前後からだったので、焦らず気負わずの心持ちで続けていると、向かい風が徐々に弱まってきた。その分暑さも増して体力勝負の様相を呈してきたが、課題だった超遠投が心持ち上手くいくようになった。
すると夜が明けつつある4時半過ぎに、スッとウキが沈み、竿先に張りが伝わってきた。クンクンと心地良い魚の反応を感じながら慎重に寄せてくると、海面に大きな白い魚体が現れた。そろりと波止上に抜き上げたのは、29cmの平鯵だ。幸先良いスタートにニンマリ。
しかし、ここから更に釣果を積み重ねることができるかが本当の勝負。周りの釣り人も平鯵を手にし始めて、今が時合いだと、エサ付けとカゴへのまきエサの詰め込みを丁寧に行いつつも、手早い手返しの繰り返しを心がける。
すると5時過ぎに再びウキがスッと沈んだ。常連のタックルとは違う私のこだわり、独自の中通しパイプテンビンならではのダイレクトな魚の反応を楽しみつつ、2匹目の平鯵を波止上に抜き上げた。
向かい風の再来に苦戦
今日の自分は違う。今までの分を取り返すぞと意気込むが、6時過ぎから向かい風の再来に超遠投が上手くいかなくなり、苦戦を余儀なくされる。
周りの釣況も沈静化に転じたが、その中で一人だけ、ポツリ、ポツリと平鯵の釣果を重ねていたのが、やや西寄りに釣り座を構えたベテラン師。向かい風なりに遠くへ仕掛けを投げ入れ、魚の回遊のポイントを見事に捉えたようだ。