静岡県南伊豆の妻良へ、渡船での寒グレ狙いフカセ釣行に出かけた筆者。黒潮の流れが離れた影響か、水温が急激に低下してサカナも低活性に。激渋の状況を仕掛けの微調整で攻略し、見事本命と対面となった釣行をお届け。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター久保勝敏)
仕掛け調整でチャレンジ
潮止まりとなり、現状の仕掛けとポイントに見切りをつけ、上げの動き始めから一新しようと組みかえた仕掛けは、ウキG2→B、ガン玉→メタルクッションのB、ハリを鋭貫グレ→閃烈グレ、ハリスを2ヒロから1ヒロ半へ。浮力調整G7はそのまま。
ここでの変更理由は、水深のあるポイントでの干潮なのでウキの浮力を大きくし、早めに深いタナへエサを運び、僅かな潮の影響を仕掛けに受けさせたく潮受け性能と視認性のあるメタルクッションを使用、更には早く仕掛けを落とすのでハリス2ヒロが馴染むまでの時間の短縮と、仕掛けを馴染ませた上で張りながらアタリを待つ釣りに切りかえたかったので、ハリスを少し短くした。また、中軸で程よい自重のあるハリに変更することで、さしエサを先行させやすくした。
41cm口太グレ登場
潮の動き始めを待ち、今度は沖向きの25mほど先の根周りを狙ってみる。数投した後、この時の潮は流れる方向はかわっていないものの、素直に流れウキがシモリだしていたので格段に釣りやすく仕掛けも張りやすい。タナはサオ2本強。ようやく僅かなアタリを掴んで掛かってきたのはイサキ。
余計に頭が混乱するような魚が食ってきたが、同じパターンを繰り返していると今度は50cmほどのカンダイ(コブダイ)。やはりゲストばかりなので、少し手前から仕掛けを入れ込みアプローチしてみると35cmほどのグレ。前半よりも確実に釣りやすくアタリも明確に出てきた。
繰り返すこと数投、重量感のある引きで楽しませてくれたのは41cmの口太グレ。正に待望の1匹である。ここまでくるのに考え、悩み、試した答えがようやく出たことに肩の荷が降りた自分がいた。
その後は30cmクラスのグレやサンノジを数匹追加したところで納竿時刻となり、こぼれたコマセを洗い流して終了した。
最終釣果
この日の釣果は、口太グレ32~41cm、ゲストにイサキやカンダイなど。エサも取られない朝の状況が長く続き、コマセに反応しない魚の活性。海の変化とともに、思い切って狙うポイントに見切りをつけたこと、仕掛けを張りながら入れ込むラインメンディングができたことが釣果に繋げられたと思う。
非常に苦戦を強いられる状況での釣りだったが、4月にして正に寒グレ真っ只中の釣りを楽しめた。水温や潮に限らず厳しい状況をどう釣るか。引き出しの多さと固定観念にとらわれない釣りができるかによって釣果が左右するのであると思い、今後も試行錯誤しながら引き出しを増やして行き、終わりのない釣りを楽しんで行きたい。
今後の展望と釣行時注意点
例年、4月中旬ごろには寒グレシーズンも終わりとなり、それ以降は離島への尾長グレ狙いや産卵後の梅雨グレ狙いとなるかわり目の時期。しかし遅れている魚はまだ白子を持っていたり、マダイやイサキなども釣れたりするので、7月ごろまではフカセ釣りは楽しめるだろう。
どの釣り場でもゴミは持ち帰り、汚れたコマセなどは綺麗に洗い流し、皆が楽しめる釣り場の維持を心掛けていただきたい。地磯や堤防などでも必ずライフジャケットとスパイクシューズを着用していただき、安全第一にて釣りを楽しんで下さい。
<久保勝敏/TSURINEWSライター>
海聖丸
出船場所:妻良港