磯フカセ釣りで41cm頭にグレ好捕 水温低下の激渋を仕掛け調整で打破

磯フカセ釣りで41cm頭にグレ好捕 水温低下の激渋を仕掛け調整で打破

静岡県南伊豆の妻良へ、渡船での寒グレ狙いフカセ釣行に出かけた筆者。黒潮の流れが離れた影響か、水温が急激に低下してサカナも低活性に。激渋の状況を仕掛けの微調整で攻略し、見事本命と対面となった釣行をお届け。

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(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター久保勝敏)

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久保勝敏

伊豆半島にてフカセでのメジナ、渚黒鯛、ヤエンアオリイカ等の釣りをしております。皆様のお役に立てる情報をご提供したいと思います。宜しくお願い致します。

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海釣り 磯釣り

寒グレ狙いフカセ釣り

ようやく朝の冷え込みが緩くなってきた4月初旬、静岡県南伊豆の妻良へ渡船での寒グレ狙いに釣行したのでレポートしたい。

私が釣行した前週まで、伊豆半島では水温17度以上、魚の活性も型も悪くなく、寒グレも終わりに近づいている時期の状況だった。しかし突然、黒潮が離れた影響と思われる水温の低下により一気に魚の活性が落ち、伊豆半島全域はどこも食いが悪く、良型はおろか数も釣れない状況に。

当日示した水温は15.4度。当然の如く魚は食わなくなり、エサすら取られない状況だ。この2℃の水温変化は人間にすれば気温10℃前後の差と言われる。例年であれば2月ごろの水温なので、時期的に産卵を控えた白子を持ったグレは、いくらコマセを打っても反応してこない。

この状況は、単なる水温が低い時期の釣りとは異なるので、攻め方、コマセ量、コマセワークや仕掛けなど、あらゆることが釣人を悩ませ、答えが出ないまま時間がきてしまうため、型や数が出ない要因であるだろう。即ち、いかに場所や潮を含めた海の状況が、釣りを楽にさせてくれているかがよく分かる。

知識と引き出しの多さが問われる難しい釣り、この厳し過ぎる状況の釣りをどう攻略するか?

当日のまきエサ

当日は海聖丸にお世話になり、出船は5時30分過ぎで納竿は14時。用意したエサとコマセは次の通り。コマセは約3kgのオキアミ4枚、配合2袋に遠投用配合を0.5袋。さしエサは加工オキアミと生のオキアミを用意。これが私の寒グレ時に使う通常量になる。

グレ釣りのコマセに対する考えは人それぞれ違うだろうし違って当然。無論、好みの問題が大きいのかも知れないが、あくまで私の考えと釣りに合わせたコマセになるので参考までに。

生のオキアミをほぼ全解凍にするのが私流。その際に、溶け出た水はある程度捨ててしまう。ほぼ原形に解凍されたオキアミに2袋の配合を混ぜ、仕上げに固さ調整で遠投用の配合を約半袋入れる。オキアミ4枚12kgとは言え、ほぼ原形なので、コマセ量的には40cmバッカン満タンくらいで収まる。

私は基本的に、時期や水温などでオキアミを細かくしたり入れる配合をかえたりはしない。その都度の状況で入れる配合をかえたり、オキアミの砕き方をかえたりする方が多いと思うが、私はコマセの沈下速度がその都度違ったり、それに合わせて仕掛けを合わせたりするよりも、毎度同じ沈下速度の慣れたコマセに自分の仕掛けを同調させる方が釣りがし易いと考えるている。

磯フカセ釣りで41cm頭にグレ好捕 水温低下の激渋を仕掛け調整で打破用意したコマセ(提供:TSURINEWSライター久保勝敏)

当日の状況と仕掛け

タックルは画像を参照して頂きたい。当日は、大潮回りで下げ潮スタート。水温が低く厳しいことは前情報で分かっていたため、スタートの仕掛けをどうするかに悩むところだが、かなり水深のある場所なのでG2のウキからスタート。

表示通りのガン玉にプラスG7を打ちハリスは2ヒロ。状況次第で仕掛けや浮力は変更するのだが、釣り人あるある?朝マヅメは気合いが入る!だからこそスタートの仕掛けは釣り人にとって重要で悩みどころ。軽い仕掛けでスタートし、後にナマリで誤魔化した釣りはしたくないので、私はG2からスタートした。

磯フカセ釣りで41cm頭にグレ好捕 水温低下の激渋を仕掛け調整で打破当日のタックル(提供:TSURINEWSライター久保勝敏)

二枚潮

降りた磯は吉田地区にあるシンダネ。足元から水深のある磯で、際や仕掛けの届く範囲内の根周り、潮に乗せて先も釣ることができる磯だ。

仕掛けの準備ができ、投入前に数回程度コマセを打ってからさしエサを付けて1投目。まずはエサ取りの状況を確認する。例えここで本命が食ってきても狙って釣っていないので釣れちゃった魚。そうは中々上手くは行かないものだが、足元から丁寧に探る。

コマセを打ってもエサ取りの姿は見えないので、さしエサが取られるタナまで入れてみようと仕掛けを入れ込むが、何回手返ししてもエサすら取られない。コマセを多めに打ち、ひたすら探ってもエサが取られない状況に、早くも当日の厳しさを痛感させられた。

潮は右から左で自分から見て岸から沖。風も強めに吹いてはいるが、釣りに影響が出るほどではない。緩やかだが確実に潮は動いている。が、何かがおかしい。風と潮で左へ緩やかに流れてはいるがウキの角度が左から右に傾いているのだ。

私はウキ表示浮力プラスG7号で浮力を殺す。感度のいい踏ん張るウキは、海面に沈みながらもホバリングする。よってウキ自体が風による影響は受け難く、海面下でのウキの角度も見えやすい。恐らくこの状況は二枚潮状態になっていると考えた。

磯フカセ釣りで41cm頭にグレ好捕 水温低下の激渋を仕掛け調整で打破渡礁風景(提供:TSURINEWSライター久保勝敏)

根周りで32cmグレ

ならばと狙いのポイントをかえる。足元を攻め、活性とタナを探ってはいたが見切りをつけて15mほど先の根周りを探ってみる。

エサ取りも全く見えないので、潮の流れるスピードと自分のコマセの沈下速度を踏まえ、ハリとコマセが同調しながら上手く根周りの深場を狙えるようにラインメンディングとコマセの打ち方を工夫した結果、数投目で32cmほどのグレが釣れた。ここまで3時間以上、型は小さいがようやく見られたグレの顔が嬉しくてたまらない。

このパターンで暫く繰り返してみると、ようやくエサ取りのベラ、オジサン、サンノジが口を使うようになり始めた。しかし肝心のグレが釣れない。試行錯誤した結果、ここは仕掛けとポイントに見切りをつけ後半に挑む。

次のページで後半の釣りの模様と最終釣果を発表!