渓流釣りを始めるにあたって、知っておきたい知識はいろいろある。今回はそんな中から、源流域・中流域・本流域など、渓流の釣り場選択について解説しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)
源流域
流れの源に近い流域。多くが山岳渓流であり、時に釣り場まで1時間以上歩き、深い谷底に滑り落ちるようにして入渓する。また、遡行は、滝や淵を高巻いたり直登したり沢登りの要素も高い健脚向き。同時に危険と隣り合わせであり、単独釣行は禁物。一度入渓すると脱渓も厳しく終日の釣りになる。事前の準備をしっかり行い余裕をもった釣行をしたい。
サオは3.8~4.5mまでのズームロッドを使用し、滝つぼ・堰堤用に6mもリュックに携行する。流下するエサには、何でも反応するためにこだわりはないので、携帯性のよいブドウ虫やミミズを使用している。
源流域は、漁協からのヤマメ放流もなく、在来種の天然ヤマメがひっそりと生息している。しかし、苦労して遡行した源流域はヤマメの楽園だったということがある。しかし、貴重な魚なので、釣れた天然ヤマメをすべて持ち帰ると魚が枯れてしまう。従ってキャッチ&リリースも取り入れ、資源保護も兼ねながら釣りを楽しみたい。
パーマークも小判型で色濃い魚体で美しい。熊本県球磨川水系では「マダラ」と呼び親しまれ、ゴマ状の黒点が腹部までビッシリとあり、昆虫類を彷彿させる。一方の宮崎県側は「エノハ」と呼ばれ、黒点が少なくシンプル。
一般渓流域
比較的道路から渓流まで高低差も少なく、漁協等からのヤマメの稚魚放流も盛んで、渓流釣りの核心部ともいえるだろう。よって、魚影も濃く、初心者にもお勧めの流域でもある。
木々が身近に迫り、森が美しく、特に新緑の時期の釣りは、森林浴をしながらの釣りが楽しめる。適度な落差もあり、淵・瀬が続く。
サオは、5mをメインに堰堤・滝つぼ用に6mも携行している。
魚影は濃いが、常に釣り人にも叩かれているのでスレヤマメも多い。エサは、水の澄んでいる時は、川虫もしくはブドウ虫を、濁りが入った場合にはミミズを使っている。
エサを流して、魚影が多く走り、目印が弾かれたりする場合は、学習してエサに対して警戒心を抱いている証拠なので、エサの種類を複数用意するか、川虫に替えるか、脱渓を考えるか工夫していかなくてはならないだろう。