渓流釣りを始めるにあたって、知っておきたい知識はいろいろある。今回はそんな中から、源流域・中流域・本流域など、渓流の釣り場選択について解説しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)
渓流釣りのスタイル
渓流釣りには、エサ、ルアー、フライ、テンカラ釣りがある。ルアーでは、好みのルアーで駆け引き、ピンスポットに投入して、追ってくるヤマメをどう食わせるか?
フライやテンカラでは、水面に浮く毛バリに、ヤマメが水面に割って飛びつく姿はスリリングである。近年始めたテンカラ釣りは、日本伝統釣法でシンプルなタックルであり、いつでも手軽にヤマメと遊べる釣法でもある。
そうした中でも、エサ釣りは、リールを頼らないサオと本物のエサで獲物と対峙する。数釣りが望め、ヤマメの強い引きを心行くまで楽しめる釣法だ。
ヤマメ釣りは難しいイメージもあるが、コツをつかめば容易に釣ることができる。それは、ヤマメが多く生息している実績ある河川で釣ること。また、警戒心の強い魚だから、悟られないように近づき、自然の生きたエサで仕掛けを自然に流せば、簡単に釣ることができる。したがって、ヤマメ・アマゴ釣りは、一に場所、二にアプローチ(悟られない)、三にエサ、四に技の順だろう。
初河川は放流個体のをチェック
主要河川放流状況一覧に記載されている河川が、一般的に、有名河川といわれている銘川だ。
近年は、豪雨などの気象やカワウの被害などにより、魚影のムラもあるが、釣果も期待できる実績河川でもある。しかしながら、初めての河川では、どこで釣ればよいか分からない場合がある。どこの漁協も重点的に放流している濃密河川や区域があるはずだから、一度漁協に問い合わせてみるのもよいだろう。
また、稚魚放流なのか成魚放流なのかによっても違う。稚魚は一般的に春から初夏に放流され、天然ヤマメに近い状態で生育していくことから、魚体も美しく釣りがいもある。しかしながら、解禁では15~20cm程度の小型が多く、洪水やカワウの被害にも遭いやすく、生存率も低い。時には、昨年放流した場所なのに全く魚影がないことさえある。
一方の成魚放流は、養殖魚だけあって、尾ビレは丸く、魚体の色見にも艶やかさがなく、明らかに天然ヤマメとは別物。釣りやすくて多くが解禁直後に釣られてしまう。主に災害の受けにくい秋~解禁前に放流されるので、カワウ被害を除けば、生存率が高く、解禁から20~27cmの良型の数釣りが楽しめる。
3つのエリアに大別
ひと言で渓流と言っても釣るエリアは非常に広い。ハヤやアユの生息する本流域や里川などの中流域から、天然ヤマメを求めて滝や高巻きなどの遡行技術を駆使しながら、ひと跨ぎできるような源流域まで。渓流釣り場は、およそ3つのエリアに分けることができる。
ヤマメの生息している河川の指標としては、水源の山が標高1000m以上で、ブナ林も自生している水系であり、夏季でも水温20度以下に保たれている流域としている。このような河川は、大抵ヤマメが生息している。