冬になるとヤリイカが産卵のために接岸し、ヤリイカ釣りの好シーズンに突入する。今回は、食味も素晴らしいヤリイカの基本の釣り方と、数を伸ばすコツを解説しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 編集部)
ヤリイカの釣り方と攻略のポイント6選
つづいてヤリイカの釣り方を紹介しながら、釣果を伸ばすコツも併せて解説していこう。
投入準備の仕方
ヤリイカは群れの移動が速いことが多いため、素早い投入が求められる。そのため、船長から投入の指示があったら、すぐに投入できる準備をしておく必要がある。また、長い仕掛けを扱うので、下図を参考に投入器周辺を整理整頓しておこう。
人が竿と投入器の間に立つ形でアイテムを設置する。投入器は、ロッドキーパーの下手(トモ側)にセット。投入器への仕掛けのセット方法は、ツノは上から順に竿に近いほうの穴へ入れていく。ツノを筒の中に投げ入れるように入れると幹糸などがはみ出ず、奇麗に収納しやすいので試してみてほしい。
素早い投入がカギ
この釣りで最も重要なのは素早い投入。群れが抜けるのが速いことに加え、イカは最初に目にしたツノに乗る傾向が強い。群れが濃く、活性が高い場合は多少投入が遅れても乗ることもあるが、いかに早くタナに仕掛けを入れるかは釣果を左右する大きなポイントとなる。
ヤリイカの反応は、底付近に出ることが多く、船長からは「海底から〇m上まで」とアナウンスされるのが基本。開始の合図とともにオモリを潮上に投げ入れ、リールのクラッチをオフ。竿をキーパーから外して竿先を海面に向け、仕掛けがスムーズに着底するよう心掛けよう。
基本の誘い
着底したらすぐにイトフケを取り、ゆっくりと聞き上げる。特に、潮回り後の1投目は着底直後に乗ってくる「着乗り」の確率が高いので、この動作は必ず行いたい。アタリは竿先に出ることも多いが、着乗りでは竿がズッシリと止められるほどの重量感が伝わるので、初心者もわかるはず。
乗らなければ、50cm~1m刻みに指示ダナ上限(通常底から10m前後)までシャクって誘い、再び底まで落として誘う。シャクりはツノを躍らせることが目的で、優しくソフトに行おう。誘った直後にツノを抱くことが多いので、シャクリ上げたらしっかりと動きを止め、竿先を注視する。
再び底まで落として誘う際は、落とす場所を変えるために一旦30~40m巻き上げてから仕掛けを落とし直す「巻き落とし」も効果的。
釣り方は臨機応変に
タナが底中心のときは、オモリを底に着けたままミチイトを1~2m伸ばし、仕掛け全体をたるませては張って聞く、たるませ釣りも有効。逆にタナが高いときは、タナ上限手前でサミングしてスプールの回転を抑え、落下速度を緩めて落とし込みで乗せる方法も試してみるといいだろう。
このほか、イカリングや中オモリを利用した、たるませ釣りが効果的な場合がある。着底したらイトフケを取らず、そのまま中オモリを沈めていくイメージで竿先をゆっくり海面に下げていく。乗りが渋いときに有効だが、潮が速いときや釣り人が多いときはオマツリの原因になるので、船にゆとりがあるときに行いたい。
多点掛けを狙おう
乗ったらイトのテンションを緩めず、一定の速度で巻き上げる。慎重になりゆっくり巻き過ぎると、船の揺れやウネリなどでバラしてしまうため、中速程度のスピードが最適。最初は1尾ずつ取り込めばいいが、イカ釣りの醍醐味は多点掛けしたときの重量感。1尾乗ったら手巻きで数mゆっくり巻き、重みが増したら電動リールのスイッチを入れる。
取り込みは、イカを1尾ずつ船内へ入れて外し、ツノを投入器に入れていく方法が望ましい。イカの抜き上げは、なるべくイカに近い部分のイトを持ち、テンションを緩めないように気をつけて一気に抜き上げる。
手返しよく数を伸ばそう
釣果を伸ばすためには、イカを取り込んだあとの手返しが重要。釣れているときに一番避けたいのは手前マツリ。仕掛けをロストしてしまうこともあり、時合いを逃すことになる。はやる気持ちを抑え、1回ずつ確実に投入器に仕掛けをセットして、しっかり投入準備することが数を伸ばすことにつながる。