大阪湾は例年秋に回遊魚のトップシーズンを迎えるが、今年の秋は釣果に偏りがあり異変がささやかれている。今回は、神戸港東エリアの第7防波堤の様子をレポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)
秋のトップシーズンに異変?
緊急事態宣言が解除されたのを機に10月から釣行を再開したが、前3回の釣行結果はいずれも惨敗。釣行前に情報収集を続けてきたが、今年の秋は例年に比べて魚の種類、場所、時間帯などがどうも偏っているようだ。
秋の人気ターゲットのタチウオは9月中旬以降パッタリと姿を消し、デカアジも散発で釣れる程度。青物と大サバがメインターゲットとなっているが、ベイトはイワシが主体で小アジは殆ど釣れていない。
こうした回遊魚の異変もあってか、釣果をあげているのは、特定の時間帯に特定の釣り場に釣行できるルアーマンが殆どで、私のような週末限定のへっぽこ釣り師が簡単に釣果を得られるほどたやすい状況にはないようだ。
松村渡船の3便で波止へ
それでも釣行しなければ何も始まらないと懲りずに、10月15日の23時過ぎ、松村渡船の乗船場に駆け付けた。しかし青物が釣れている人気の最沖の波止への送客は出発済の前2便で既に終了しており、あぶれた釣り人達はやむなく内湾の波止で我慢を強いられることとなった。
それでも深夜未明の乗船場は、一攫千金を狙うルアーマン達で熱気に溢れかえり、二人の船長は駐車場誘導と乗船受付に追われていた。ルアーは門外漢の私はデカアジと大サバをメインに、あわよくばノマセ釣りで青物を目論んでいて、松村船長に相談すると、「7防でしたら内向きがセオリーで」と、アジが釣れる可能性が比較的高い灯台周りと別のピンポイントを、釣り方のアドバイスを添えて情報を提供してくれた。
ルアーマン達の熱気に押され気味ではあったが、何とか目当ての場所に釣り座を構えられるようにと願いつつ、0時50分発の第3便に乗り込んだ。同船者は約40人。緊急事態宣言解除後も皆マスクを着用し、船内の会話も控えめと、新型コロナへの緩みはない。
7防の概要
神戸港第7防波堤は六甲アイランド沖に位置する東西約4.5kmの長大な防波堤だが、中央部を埋め立てて人工島にする工事が進められており、かつて好ポイントだった東方向のカーブの沖には長大なフロートフェスが設置されるなど、釣り可能なエリアは、実質的には西側の一部のエリアに狭まっている。
青物狙いは沖向きが中心となるが、海面からの高さが6m近くあり、足場が非常に悪いので、安全面には特に注意が必要だ。内向きは灯台周りもその下も、幅が広くて足場がいいが、満潮時や大型船の航行時には潮が足元までかぶってくる場合もあり、荷物の置き場を含めて、足元と潮位の様子に気を配る必要がある。当日も船長から操行中にマイクで7防の安全面について注意があった。