夏の相模湾の風物詩、コマセ釣りで狙うキハダマグロ。ここ数年は秋口からモンスタークラスのキハダが現れているが、今年もついに姿を見せ始めたので早速狙いに行ってみた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター古谷健太)
まさかの2発目のヒット到来
キハダマグロはワンチャンスの釣りである。1回アタリがあればありがたいくらいの釣りなので、最初のチャンスを逃した時点でこの日の負けは覚悟していた。
それからまたアタリのない時間が長く続いたが、ちょうど正午くらいの時間帯に、船長から「激熱の反応」とのアナウンスがある。俄然やる気モードになる船中、私もちょうどコマセをまき終わっていたタイミングだったので、シャクリ上げていたサオをできるだけゆっくりと誘い下げるイメージでタナに戻していった。
すると、ちょうどタナにサオが戻ったくらいのタイミングでサオに強烈な違和感があり、そのまま海中に持っていかれそうになった。キハダのアタリだ、と頭が理解するよりも早く3、4回の鬼アワセを入れ口元へのハリ掛かりを狙う。
無事にアワセは決まったようで、キハダのファーストランが始まり、リールのカウンターは一気に200mまで達した。
ファーストランでオマツリ発生
ここからやり取りスタートであるが、今回もどうやらオマツリしているようで、しかも外れないという言葉が耳に入った。
つまりマグロを弱らせるリングもサメ除けも投入出来ないということだ。サオを持つ手に伝わる重量感からこの時にすでに「これは自分には上げらないかもしれない」と弱気になっていた。
ファーストランを凌いだあと、ドラグを締めて巻き上げようとするが、いくら締めてもマグロ自体の自重でイトが出て行ってしまい、サオでリフトすることができない状況であった。そうこうしているとマグロも抵抗し、また走ろうとするためドラグを緩めざるを得ず、一進一退の攻防が続く。
イトを手で手繰る作戦へ
私はサオでのやり取りを諦め、サオをキーパーに固定し、電動リールの巻き上げは入れっぱなしにして、イトを手で手繰る作戦に出た。これでなんとか100mを切るところまで巻き上げることができたが、その後再びマグロの疾走が始まった。
気になるサメの存在
船長曰く「サメが3匹待ち伏せしている。マグロがサメを見たのだろう。」とのこと。サメ被害を無くすことを考えるとマグロには逃げ切って欲しいところだが、リールのカウンターは230mに達し、振り出しに戻るどころか最初の時よりひどい状況になってしまった。
なりふり構わぬファイト
再び、お世辞にもきれいなファイトではないが、サオをキーパーに固定して手で手繰る方法を取る。巻き上げ自体は早くないし、マグロが抵抗した際には手で止めるような形になるため、時間も体力もかかるが少しずつマグロとの距離を詰めていく。
ただ、サメが待ち構えているという船長の言葉がずっと頭にあり、「頑張ってもサメにかじられるのか」と悲しい気持ちでもあった。段々とマグロの抵抗も収まり、残り80mを切った辺りからは割とすんなり上がってきてくれた。