いよいよカカリ釣りも絶好期に突入する。そこで今回は、三重県の鳥羽・生浦湾と英虞湾・御座を例に、カカリ釣りでのチヌ攻略法を解説したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)
クロダイ絶好機へ
新型コロナウイルス感染拡大による東海3県への緊急事態宣言発令下、好機ながらも思うように釣行できずに、フラストレーションもピーク一歩手前。私もおよそ1カ月海風に当たっていないが、これからカカリ釣りも絶好期に突入する。
今シーズン、相変わらず黒潮の状況は紀伊半島沖を大きく外へ蛇行したままだが、三重県下においてのクロダイの良否は、春先からここまでを振り返って「中の上」といったところか。
三重県のカカリ釣り場で北部に位置する鳥羽の生浦湾や的矢湾は例年にない不漁ぶりだったが、代わって英虞湾や南部の尾鷲湾が好調だった。特に尾鷲湾は港から見て左岸寄りの天満浦、右岸寄りの大曽根浦のいずれも絶好調で、連日大型や良型が目立った。
8月も中旬に差しかかり、さすがに型数とも落ち着いてきたが、一時は渡船予約が全く取れないほど、連日多くの釣り人でにぎわったようだ。
英虞湾では、本来食い渋りを見せる5月の産卵期も安定して釣れ続き、50cmこそ少ないものの、30~45cmクラスの元気印は実によく釣れていた。
英虞湾には多所にわたってカカリ釣り場が点在する。その全ての釣り場が好調だったわけではないが、最も湾口に位置する御座や浜島、大崎、鵜方浜はいまだに好釣果が期待できる。
数狙いに期待が持てる
さて、本当なら残暑が厳しくまだまだ盛夏の釣りを余儀なくされるタイミングだが、今夏はどうしたことか?お盆から降り続いた長雨以降、いつも通りの夏らしさはなく、9月の上旬現在、すっかり秋めいている。
今シーズンの秋を予測するのは難しいが、天候や海水温の状況などから推測して、海況の移行(夏から秋へ)もやや早いと考えて問題ないだろう。
今後は梅雨から夏にかけ、尾鷲湾で釣れ盛ったような大型クロダイは少々厳しいかもしれないが、その分、中~小型クロダイの数狙いにはかなりの期待が持てる。
春先不振だった鳥羽方面も、夏以降は順調に釣れている。何よりも秋の数狙いには例年めっぽう強い鳥羽の釣り場。今後さらに上向いてくれることも熱望しつつ、私が行きたい今秋の釣り場、そしてそのエリアでのオススメの攻め方を惜しまずに紹介していこう。
現在のところ、鳥羽から五ケ所湾辺りにかけての水温は26度強ある。過去のデータから見てみると、概ね25度を下回るころからにわかにチヌが活気づいてくるが、熱しにくく冷めにくいのが海水温。
たった1度ほどとはいえ、25度を下回りだすのはやはり今月下旬になるだろう。ただ、いくつかの台風が接近し、上層から下層まで混ぜ返しての話なので、今シーズンはここまで接近、上陸が極めて少ないため、若干の心配はある。台風が少ない影響がどの程度あるのか不明だが、取りあえずは下旬ごろからハイシーズンと捉えておこう。