乗船や渡提をする必要がある沖堤では、陸っぱりの釣りとは釣行グッズにおいても注意しなければならない点がある。今回の投稿では沖堤の手荷物についてのアドバイスを試みたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)
最重要アイテムは「救命胴衣」
沖波止初心者にとっての最重要アイテムは、ロッドケース?タックルボックス?リュック?私は「救命胴衣(ライフジャケット)」だと申し上げたい。沖波止は周りが海に囲まれ、波止からだけでなく、渡提の際にも海に落ちる危険性と隣り合わせだ。救命胴衣なしで乗船を認める渡船店はまずないと言っていいだろう。
渡船店の中には救命胴衣をレンタルする店もあるが、沖波止で釣りをすると決めた以上は、自分で自分の安全に責任を持つ意味でも、救命胴衣をぜひ持参してほしい。
手荷物はコンパクトに
スムーズに乗船し、安全に渡提するためには、身軽なほうがいいのは考えるまでもないだろう。70cmオーバーの青物を夢見て大型クーラーやタックルボックスを持参しても、渡船という慣れない場面では、沖波止初心者は持ち運びに苦労して手に負えないだろう。
エサ釣りの場合は、エビクーラーやアミエビなどのエサが必携となることを考えれば、持ち運びできる手荷物の大きさと量は自ずと限られる。救命胴衣を着けてリュックを背負った状態では、ロッドケース、クーラー、海水バケツと、両手が塞がらない程度のコンパクトな範囲にとどめておくほうが賢明だ。
キャリーカーは万能ではない
「荷物はコンパクトに」と聞けば、キャリーカーを思い浮かべる人もいるだろう。駐車場と乗船場との間や、船着場と釣り座との間の移動にも便利なキャリーカーだが、沖波止では万能アイテムとはならず、かえって仇となる場面もある。
船と波止との間を移り渡る際の足元はフラットではなく、船首のゴムタイヤやはしごになるので、キャリーカーは使いづらい。特に沖波止初心者にとって関門とも言える船首のはしごの上り下り、移り渡りの際は、手摺りをつかみながら移動しないと危険なので、キャリーカーの使用は避けたほうがいい。
水分、バケツ、ゴミ袋は必携
一方で、省いてはいけない手荷物もある。脱水症状や熱中症の防止の観点から、お茶や薄めのスポーツドリンクなどの水分は欠かせない。活きエサの保善や獲物の処理時には、海水バケツが役に立つ。エサや獲物の血、臓物などで波止の上を汚したら、海水で洗い流すのがマナーだ。
また、沖波止にはゴミ箱はないので、ゴミを持ち帰るためのゴミ袋も持参してほしい。
<伴野慶幸/TSURINEWSライター>