伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「カクシンで両ダンゴ革新」。今回は、新たにラインナップに加わった『カクシン』。使い方のコツや注意点について紹介する。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース伊藤さとし)
吸水性がいい『カクシン』
ところで今までのエサだと、パッケージの裏書きに代表的なブレンド例が記載されていることが多いのですが『カクシン』にはそれがないですね?
「あれ、そうだっけ(笑)」
はい、単品ブレンドの記載しかありません。しかも粉の量が中途半端。
「ああ、そうだった。標準で粉700㏄+水200㏄でしょ」
はい。よく言われる粉4+水1の比率ではないです、なぜですか?
「それだけ吸水性がいいエサだってことでしょう。主原材料のところを見てみてよ」
麸、さなぎ粉、増粘剤と書かれています。
「そう、その増粘剤がおもな要因かな」
増粘剤というと、和菓子作りなどでよく利用されるものですが、これが『カクシン』の核心たる所以でしょうか?
「まあ、麸材の組み合わせなどいろいろあると思うけど、芯残りのよさの最たる要因は、この増粘剤だろうね」
最初から練るのはNG
増粘剤と聞くとネバネバの素というイメージですが、だからこそあまり練らなくても(エアを含ませても)エサ持ちがよくなるわけですよね。ところで使い方のコツなどありますか?
「エアをかませて使うことが最大の特徴だから、できればあまり手もみとか押し練りとかせずに使いたいよね」
つまり、できた基エサをそのままのタッチで使うわけですね。でもそれでエサが持たない場合はどうすれば?
「であれば、ハリ付け時の圧力を調整するとか、やっても押し練り程度だろうね」
エサボウルに擦りつけるように練るのはNGなんですね。
「それをやってしまうと、このエサを使う意味がなくなるよね。できるなら、エアを含んだ状態のエサをタナに届ける。それでも持たないなら、エサではなくセッティングを見直すべきじゃない」
なるほど、エサを活かせるセッティング。でもそれって面倒ですよね。できればエサで何とかしたいと思うのが、釣り人ではないですか。
「だったら擦り練りしてもいいだろうけど、そこまでエサを削る状況ってよほどの高活性か、逆にセッティングが合っていないかのどちらかだよね。つまりエサだけでどうにかできる段階を、すでに超えているってことじゃないかなあ」
いずれにしても、そこまでの段階に来たら、セッティングの話になるわけですね。それにしても粉700㏄って?
「たしかにね。面倒と言えば面倒だけど、マルキユーの計量カップを使えば大3杯に中1杯で済むから、さほどでもないでしょう(笑)」
直射日光に注意
ほかには注意点などはありますか?
「増粘剤入りのエサ全般に言えることは、直射日光と風当たりかな。適正な保管方法なら経時変化はしにくいけど、不適切だと途端に変化しやすくなるからね」
では使う量だけ小分けして、残りの基エサはフタ(エサボウルを重ねたりタオルで被うなど)をして保管する?
「そういうこと。とくにこれから高温期は、水分の蒸発が早くなるのは仕方がない。それをできるだけ遅らせることが、基エサの適正な保管方法と言えるだろうね」
次回はブレンド性について解説してもらいます。
次回も「カクシンで両ダンゴ革新」です。
<週刊へらニュース伊藤さとし/TSURINEWS編>