少しハードルが高い印象があるコマセマダイだが、多くの人が夢中になる魅力があるのも確か。その釣法をシンプルに紹介しよう。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS編集部・大谷俊夫)
共栄丸でコマセマダイ釣り
2021年6月7日(月)、南房富浦の共栄丸にてコマセマダイ釣りへ。釣り人はシマノ・フィールドテスターの松本圭一さんだ。午前と午後で受け付けている、この釣りを得意としている船宿だ。釣り座は予約した順で、トップの松本さんが指定したのは右舷胴の間だった。決して状況はいいとはいえなかったが、少ないチャンスを逃さず本命を3尾ゲット。当日の様子を交え、釣り方を紹介しよう。
コマセマダイ専用竿
当日、松本さんが用意した武器はシマノ・アルシエラマダイという専用竿。優れた操作性に弓のようなしなりを備えた軽量なグラス製ムーチングロッドだ。その魅力を松本さんが解説してくれた。
「大きな特徴はUDグラスチューブラーにスパイラルXコアとハイパワーXをコンポジットしたブランクスであること。グラスはマダイ釣りに対して、とても優れた特徴を持っています。置き竿時の仕掛けの安定性や、柔軟性に由来する食い込みのよさ、急な引き込みにも跳ね返らず追従する点などです。この長所を残しつつ、スパイラルXコアとハイパワーXにより、ネジレを排除した軽量なブランクスに仕上がっています。ロッドにパワーロスがないため、狙いの水深でコマセを1mおきにまいて帯にしたい、あるいは底で一気にまいてすかさずビシを引き上げるような細かい操作がとてもやりやすいですよ」。
ラインナップは「40-235」と「40-250」2種類で、それぞれ右手持ち用と左手持ち用がある。どちらのタイプも様々な場面に対応する懐の深さを持っているアイテムなので、釣具店で実際に手にして好みで選ぶといいだろう。
胴の間をセレクトしたワケ
潮に流されたコマセが集まる「潮下」になるミヨシ、またはトモが有利になりやすい。釣り座選択で釣果が変わってしまうといわれるほどだが、なぜ胴の間を選んだのか。
「潮の動きを完全に読むことはできませんし、時間帯や船の流し方に左右されます。胴の間なら、どういう状況でも〝まあまあ〟な条件が期待できますから」と松本さん。「最も有利な釣り座ではない。それでどうやってうまく釣るのかが面白いところなんですよ」と笑う。
コマセマダイのタックル&仕掛け
竿は先述のアルシエラマダイ「40-250」と電動リール「フォースマスター600」の組み合わせ。ミチイトはPE3号。仕掛けは、1mのクッションゴムを介して天ビンに接続。フロロ4号を6m×2の12mで始める。2本は#4のヨリモドシで接続し、そのすぐ上に2Bのガン玉をセット。下のラインには1号のガン玉を付けるが、これは軽くかませておき、状況に応じて動かせるようにしておくのがコツ。
オキアミはブロック状に冷凍した状態で渡されるが、完全に解凍する必要はない。これはコマセにも付けエサにも使用するが、完全に解凍してしまうとグズグズになってしまうからだ。「人間が見て美味しそうじゃないエサはマダイだって食べたくないんですよ」ということ。付けエサには美味しそうなオキアミを選んで付けてあげたい。
ステン缶に軽くオキアミを入れる。ここで注意する点は詰めすぎないこと。「コマセをまきすぎるとマダイがそれだけで満腹になりますから」。あくまで食わせたいのはハリが付いた付けエサだということを忘れてはいけない。