釣ったサカナの記録方法はこの時代色々ありますが、昔ながらの魚拓もまだまだ文化として残っています。しかし、一回もしたことが無い人がほとんどなのも事実でしょう。今回は自宅でできる魚拓の作成方法を紹介。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
制作手順
それでは「直接法」での魚拓の制作手順を紹介します。
手順1
まず、サカナの表面のヌメリをたわしで軽くこすり、水で流します。
種類によっては、ヌメリが強いので、塩をかけてこすりながらヌメリを獲っていきましょう。
手順2
タオルやキッチンペーパーを使って、サカナの水分を十分に拭き取ります。
サカナの大きさにもよりますが口の中、エラにも水分が残りがちです。ここも細かく水分を取り除いてあげて下さい。大型のサカナで制作する場合は鼻の穴や肛門なども注意が必要です。
水分が残っていると完成の際に墨がにじんでしまうので注意深く作業してください。
手順3
新聞紙や段ボールを数枚敷き、その上にサカナを乗せます。
サカナの腹部を下、頭部が右(ヒラメは左)を向くように置きましょう。
この時、背ビレ、臀ビレの裏側にティッシュなどをはみ出さないように当て、ヒレが立つように固定してあげて下さい。
この時、作業をする場所についてですが、屋内なら問題ありませんが、屋外で行う場合は、風や直射日光が強く当たる場所は避けましょう。
塗った墨がすぐ乾いてしまいますので、風の当たらない日陰で行うのが望ましいです。
手順4
頭部から尾に向け、いよいよ墨を塗っていきますが、この時、墨汁は原液ではなく少し水で薄めたものを使用してください。
そして、大事なポイントですが、まず墨を塗るのは、「頭部」と「体の上半分」、「各ヒレ」の3つの部分だけです。
この段階では、目と体の下半分には墨を塗ってはいけません。
手順5
スポンジを使い、墨を塗った頭部、体の上半分、各ヒレを、軽く叩きます。
スポンジで叩く事によって、筆の跡(スジ)が無くなり、うろこの模様が良く出てくれます。
この時、叩いたスポンジにも墨が付着しますが、一通り塗った個所を叩いたら、サカナの墨を塗っていない下半分のエリアを、そのスポンジで叩き、墨を付けていきます。
手順6
そして塗り終わったらいよいよ正念場です。
スポンジで叩き終わったサカナに、和紙を乗せていきます。
この時、尻尾から頭部の方へ順に紙を押さえながらやると、最後に口元がきれいに写ります。
逆に、頭部から尻尾に向けてのせていくと、口元のあたりがべったりとして不鮮明になってしまう失敗のケースが多いです。
手順7
すべて写し終えたら、筆で和紙に直接目を描き入れ、墨がすべて乾燥したら魚拓は完成です。
個人の判断ではありますが、サカナの種類、長さ、重さ、釣り上げた年月日なども記入すると完成度がアップするかもしれません。
親子でチャレンジしてみるのも
思っているよりも簡単にお手軽にチャレンジできる魚拓。
コロナ渦中ではありますがG.W中のちょっとしたアクティビティとして親子で釣りに出かけ、魚拓にチャレンジしてみて下さい。
もちろん、魚拓に使ったサカナは墨をしっかりと落とすことで問題なく食べることが出来ます。
大物を釣って素敵な魚拓を自宅に飾ってみてはいかがでしょうか。
<近藤 俊/サカナ研究所>