春先にチヌとハネの両方を狙うなら、釣り方はエビまきが正攻法。シーズンの開幕ダッシュを飾ろうと、神戸・第6防波堤に釣行した2日間の釣りをリポートする。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)
3月6日は大サバ1匹の惨敗
3月6日に6防に釣行した時は、私の釣り座の周辺は20人余りの釣り人で賑わっていたが、中でもプライベート大会を楽しんでいた10人ぐらいの釣り人仲間達が、ほぼ全員安打の見事な釣果をあげていた。サオ頭はチヌ2匹にハネ3匹の釣果に、マスク越しでもえびす顔。
しかし私は取り残され、33cmのサバ1匹の惨敗に終わった。敗因はリサーチ不足。私の生半可なエビまき釣りとは異なり、釣果を上げていた釣り人たちは、「ここまでやる?」と思わせた創意工夫のまきエワークを駆使していた。この日はお勉強の場だと自分の心に言い聞かせ、名手たちのノウハウのを学びつつ、リベンジを誓った。
松村渡船で6防へ
2週間後の3月20日、再度6防に釣行した。松村渡船の乗船場に到着したのは朝4時。この時期の出船ダイヤはゆったりしたもの。二人の船長が手際よく駐車場誘導をこなししつつ、釣り人からの質問には快く応えてくれる。私もいい情報を得ようとエビまき釣りの近況を聞いたが、返ってきたのは「悪いですね、最近、よくないですね」と、無情のお言葉。期待感が一気にしぼんでしまった。「エサ釣りの人はアジ釣りにシフトしつつありますよ」とのことだったが、今さらターゲット変更はできないと、乗船名簿には初志貫徹で「6防くの字」に印を付けて、出船を待った。
当初は小型船を用意していたが、次々と釣り人が集まってきたのを見て、船長は急遽大型船への切りかえを決断。時節柄、運航だけでなく運営面でも安全を最優先に考える船長の心意気の表れと見た。最終的には30人余りの釣り人を乗せ、始発便は5時に出船した。乗船はスムーズに行われたが、1人だけマスク無し・救命胴衣無しの、お気楽気分の人がいたのが残念な限りだった。コロナ収束はまだまだ先の事だと心得て、渡船利用という共同作業に臨みたい。
6防「くの字」で挑戦
神戸第6防波堤は、ポートアイランド第1期区域の護岸の名残りとして残る東西1050mほどの防波堤で、途中北向きに折れ曲がって伸びる175mの支線のケーソンが、通称「くの字」と呼ばれる好ポイントだ。
土台が円柱ケーソンでできているオーバーハング状の波止で、円柱と円柱の間を東西に潮が通る。このため、チヌやシーバスの格好の居着き場所となっており、特に春先の足元狙いのエビまき釣りには定評がある。魚は西向きの潮の緩いエリアに居着き、波止際をゆるりと回遊しているようだ。
なお、6防の全体像については、以前の投稿「大阪湾の沖堤防を徹底解剖:神戸第6防波堤 落とし込み釣行も紹介」をご覧いただきたい。
タックルと仕掛け
当日のタックルは、磯ザオ3号5.4m、ミチイト3号にハリス1.7号、チヌバリ3号の2本バリ仕掛け。自立ウキをセットして、ウキ下は3ヒロ(5~6m)のタナに設定した。常連は細身で長い繊細なウキを使っていたが、冬場と違って春はアタリがはっきり出るので、大衆品のウキでも十分だ。