沖波止エビまき釣りで37cmチヌ 「まきエ」ワークがキモ【神戸・6防】

沖波止エビまき釣りで37cmチヌ 「まきエ」ワークがキモ【神戸・6防】

春先にチヌとハネの両方を狙うなら、釣り方はエビまきが正攻法。シーズンの開幕ダッシュを飾ろうと、神戸・第6防波堤に釣行した2日間の釣りをリポートする。

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(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)

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伴野慶幸

へっぽこ釣り師の伴野慶幸です。尼崎~垂水間の渡船利用の沖堤防 がメインフィールドです。

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堤防釣り 海釣り

シラサエビの巻き方

くの字の円柱ケーソンの攻略法は、仕掛けの流し方とまきエワークにある。この釣り場では、魚は沖ではなく、足元に居着いている。水深は7m余りだが、足元を狙うあまり仕掛けを波止際に寄せすぎると、海底の基礎ブロックで根ずれ、根掛かりしてしまうので、波止際から50cm~1mあたりに仕掛けを入れて、その付近にシラサエビをまいて魚を誘き出し、足止めする釣りになる。

沖波止エビまき釣りで37cmチヌ 「まきエ」ワークがキモ【神戸・6防】足元の様子(提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)

仕掛け付近にまきエサをすると言うと、エビまき用の柄杓でシャカシャカ……と、上まきのイメージを一般的には抱くかもしれないが、このポイントでは、エサまきボールなどの名前でも知られる底まき器が必須アイテムだ。といって、単純に海底に底まき器を沈めても、魚を散らしてしまうだけ。さらに面倒なことにこのポイントは、まきエサの効きがなぜか遅い。朝6時からまきエサを始めて、8時ごろからボチボチ魚の活性が上がり始め、9時ごろに釣り本番という何ともじれったいサイクルになっているようだ。

沖波止エビまき釣りで37cmチヌ 「まきエ」ワークがキモ【神戸・6防】シラサエビと底まき器(提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)

熟練者の「まきエ」ワーク

こうした難題に挑む常連達のまきエワークは2段階。第1段階は釣り始め。底まき器に少量のシラサエビを入れて、ポツリ、ポツリと、間隔を空けて、海底から2mあたりのタナにまく。そしてまきエサが効き始める8時ごろからは第2段階。ウキの近くに底まき器をそっと入れて、海底から3~4mあたりの中層にまいて、結果的に底から1mあたりに位置するさしエサとの同調をはかる、言わばまきエサの同調だ。同調を行うためには、サオは釣り用とまきエサ用の2本を用意する必要がある。

沖波止エビまき釣りで37cmチヌ 「まきエ」ワークがキモ【神戸・6防】底まき用のサオ(上)と当日のタックル(提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)

常連の中には同調まきエサのタナを正確にとろうと、発泡ウキを付けてまきエサをする人も見かけた。「ここまでやる?」と思わせる、何とも面倒で忙しいまきエワークだが、実際に釣果をあげてみて、このポイントでは理にかなった策だと実感できた。

大型ハネ登場

朝6時ごろから釣り始め、まきエサをポツリ、ポツリと入れるが、ハネもチヌも姿を見せない。波止には20人弱の釣り人がいたが、誰も釣れていない。たまにサオを曲げる人はいても、釣れるのは中サバ。私も3回ほどサバに遊ばれた。まきエサが効き出すのは8時ごろからと頭では分かっていたが、不安が募る。

そんな暗いムードを打ち破ったのは隣の若い釣り人だった。「よしっ!」と声を上げた途端、サオが折れんばかりの孤を描いた。リールが思うように巻き上げられないほどの魚のパワーに翻弄される釣り人に、仲間からの激が飛ぶ。私も周りも手を止めて様子をうかがっていると、海面に丸々と太った魚が姿を見せた。

仲間のアシストを受けてタモに収まったのは見事な魚体。スズキだと思いきや、検寸すると65cm。理屈の上ではサイズはハネだが、「これはスズキと一緒やで。こんな太いのそうそうないで」と仲間からの称賛の言葉に釣った本人も眼尻が下がりっぱなし。この様子を見て、いよいよ戦闘開始と私も気合いが入れた。

沖波止エビまき釣りで37cmチヌ 「まきエ」ワークがキモ【神戸・6防】釣り場全景(提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)

1匹目は痛恨のバラシ

まきエワークを同調まきエサに切りかえて、ウキの近くに底まき器を差し入れる。しかし反応がない時間が過ぎていく。2週間前と違って魚の活性が低いようだ。今日はダメな日なのかと気持ちは沈みがち。

ところが10時前、先ほどはアシストに回った近くの釣り人の猛ファイトが始まった。サオのしなりが凄い。サオで溜めて、サオの力を使って魚を浮かせにかかるが、魚の抵抗は強い。しばらくして海面近くまで魚を誘導すると、見えた魚影は年無し級とおぼしき超大型。ところが次の瞬間「あああっ……」とうめき声。痛恨のバラシとなってしまった。

落ち込む釣り人に同情を寄せつつも、今がチャンスと私はまきエサの同調に精を出す。そしてほどなくして、私のウキがツツッ、スッと沈んだ。大きくアワせるとグンと乗った。サオは大きくしなり、魚の強い引きに翻弄される。この引きは間違いなくハネかチヌだ。ここからいかにして浮かせるかとドラグを緩めようと手を掛けた瞬間、一気にサオ先が引きずりこまれ、のされてジ・エンド。根ズレのラインブレイクで、私も痛恨のバラシの憂き目を見てしまった。

次のページでついに著者にも本命チヌがヒット!