メバリングでは夜の「光量」が結構な問題になる。光の量が多いと、少し釣りが難しくなるのだ。そして夜の光量を決めるのは、月。今回はメバリングと月周りの関係を解説したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
月明かりとメバリング
夜全体の光の量が多いと、メバルは、着く場所が分散するといわれる。漁港・波止周りでは基本はキワに群れがほぼ「線」や表層という「面」につくメバルだが、光量が多いと、オープンウォーターにもちょこちょこ出たり、コースもアバウトになったりして、つまり海に点在するイメージとなる。また、月明かりで表層に自らの影が出るのを警戒してか、レンジも入る。
満月周りの釣り方
光量が多い月周り、つまり満月周りは、メバリングは少し難しくなる。沖堤防や磯など一般的にエントリーしやすいとはいえないポイントでは関係ないかもしれないが、漁港・波止周りでは、工夫した釣り方を意識したい。
具体的には、キワにこだわりすぎない。コースはやや甘め、またはオープンウォーター気味に打つ。そして、レンジは下げる(5カウントより下が目安、中層以下の場合も)。また釣り人の影や気配を感じさせないように、足場から少し離れて釣る。
月明かりによって植物性プランクトンは光合成するのだろうか?私の知見では定かではないが、メバルの動きを見ているとおそらく光合成しないということはないだろう。光量が多いと海全体の海面でプランクトンが発生し、それを追いかけにメバルがオープンウォーター気味に点在する、そんなイメージだ。こういう動きを意識して釣りたい。
常夜灯下ポイントでは、フルムーンでは明暗効果が出にくい。また、そもそも常夜灯下は叩かれがちなので、満月周りには最初から捨てた方がいいかもしれない。
新月周りの釣り方
夜全体に光量が少ない新月周り。これはメバリングがやりやすい。通常のプランクトンパターンに絞れる。つまり、潮や海流に乗ってキワに滞留したプランクトンを捕食している表層のメバル、または常夜灯効果の効いた明暗の「暗」の部分で狙う。
シーズン序盤(11月くらい)の高活性なメバルはパターンに関係なくリトリーブにも口を使うが、中盤以降(1月以降)は、ほぼプランクトンパターンなので、基本は動かさない止めの釣り、漂わせの釣り、レンジキープやミドストの釣法がいい。
大潮初日にご用心
ご存知のように月周りと潮周りは「引力」により明確に関係がある。ざっくり言うと、月の姿が大小共に極端なときは大潮で、そうでないときに中潮、小潮、長潮、若潮による。そして大潮では、満月の大潮周り、新月の大潮周りがある。フルムーンの夜と、空に月が見えない夜の大潮周りだ。
この大潮初日、つまり真ん丸のフルムーン、そしてまったくの新月、この初日はギャンブルみたいな部分が多い。以前ボートシーバスで乗せてもらった船頭に聞いたが、大潮初日は釣り物全体で「無」のこともあるという。そしてその逆、つまりフィーバーに転ぶ場合はあまりないらしい(*あくまで大阪湾近郊の一説)。
自分の感覚から言っても、大潮初日はめちゃくちゃ釣れたという記憶よりは釣れ渋ったイメージが多い。満月周り、新月周り共に、メバルも大潮初日はなぜかそんなに食わない。ひとつ私の考え方を述べるとするなら、極端に潮が動く日なので、魚も動きやすいのかもしれない。それに釣り人側がついていけないのだ。