今回はシャクリマダイの伝統的釣法を解説する。ハイシーズンはまだ先だが、改めてこのシャクリマダイ釣りの基本をおさらいする。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版編集部)
伝統釣法「シャクリマダイ」
「伝統釣法」「リールを使わない」「メートルではなくヒロ」など…ハードルが高く感じる言葉が並びがちな、内房上総湊のシャクリマダイだが、実際には気軽にはじめられる、シンプルでエキサイティングな釣りだ。
タックル
手バネと呼ばれる、イト巻きの付いた極先調子1.5m前後の竿を使用。リールは使わないため、イトは自ら手繰る。難しく感じる要因の一つではあるが、後述のような工夫でやりやすくなる。
タナ指示はヒロ単位(1ヒロ=1.5または1.6m。船宿により異なるので要確認)。難しく感じるが、貸し竿にはあらかじめミチイトには1ヒロ、10ヒロ…ごとにマーカーがついているので、それを参考にすればいい。イト巻きは、3回巻けば1ヒロになるように作られているものが多い。
エサ付け
付け方は下記のイラストを参考にしてほしい。
投入準備
イト巻きからミチイトを少し出しておいて、足や船縁にからまないよう足元のオケに入れていく。オケがなければ、海水で床をぬらしておくとからみ防止になる。
投入
利き手にテンヤを持ち、もう一方で中オモリを持ち「テンヤ→中オモリ」の順に、絡まないように離して投入。
指示ダナ
「○ヒロ」とタナが指示されたらミチイトの目印を参考にそのタナまでイトを送る。例えば「32ヒロ」なら、10ヒロの目印3個が見えたところから1ヒロの目印2つぶん送ればいい。
シャクリ
エサが指示ダナに届いたら竿先を海面まで下げ、頭上まで勢いよくシャクり、エビが跳ね上がるのを演出。
シャクり上げたら竿先をすぐに下ろし、エビとテンヤの重みだけで自然にエサを落下させる。シャクリの間隔は5~15秒に1回が目安。
アワセ
素早く、力強くアワせることが肝心。硬い口に食い込むように一手、二手と力強くイトをたぐりアワせる。落ち着いて行えるように、事前に練習しておくといい。
やりとり
引きの強さで型を判断して速さや強さを調整。一気に走った場合はイト巻きから素早くイトを送り出すが、のされたり、ミチイトを送る余裕がないような大物の場合、尻手ロープを竿尻に掛けて、竿を海中に入れ、尻手ロープでやりとりする。