7月23日(土)、上総湊港のとう市丸から出船。この道半世紀という超ベテランの吉野泰治朗大船長に、シャクリマダイの何たるかを教えてもらった。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 坂本康年)
シャクリマダイ釣り
百魚の王と言われるマダイの釣り方はいろいろあるが、もっともポピュラーなコマセ釣りから、ひとつテンヤ、タイラバ、さらに全国でさまざまな釣り方がある。
内房上総湊と言えば伝統釣法・シャクリマダイ。隣の竹岡と並び、当地では古くから盛んな釣法。釣具の進歩は目覚しいが、リールやクッションなどのお助け道具を使わず、腕だけでミチイトをたぐる一対一の戦いは興奮物。一度味わったら病みつきという釣り人が多い。
両港には伝統を守ろうという船頭が多く、腕を磨き釣り人を満足させ、層を広めるために研さん努力の日々が続いている。
とう市丸で実釣
5時半に出港。前日は風雨で早上がりながら、1kg頭にマダイが0~2尾に、2kg頭のイシダイが各2尾という好釣果が上がっており期待は十分。
最初のポイントは30ヒロの指示。手バネの仕掛けはハリスが5ヒロなので、25ヒロ分のミチイトを出すわけだが、ハリス分プラス5ヒロの10ヒロにひとつ、20ヒロに二つ、30ヒロに三つ、さらに間の15、25ヒロにも目印がある。
船長の指示通りに、糸巻き3回で1ヒロ分なので、出したり巻いたりして調整すればOK。最初は戸惑うことがあるので船長に聞くのがいちばん。この釣りは船長も竿をだすので真似から入り、盗むのがベスト。アワセ方も一手二手三手と独特なので、慣れないうちは見るに限る。
活エビはゲストも大好物
最初は少し深場だったが、次のポイントは24ヒロ。当日はいちばん浅くて12ヒロ。20ヒロ前後を攻めたが、夏場から秋口に掛けては、極浅場のポイントが多く、初心者の入門にも最適な時期となってくる。産卵を終えて元気になったマダイの引きは強烈そのもの。
この釣りは活エビを使うが、漁の関係で入荷のない時もあるのが玉に傷。そんな時は冷凍エビとなるが、すぐに頭が取れると不評を買うことも。同宿では、屋内に活エビの飼育用イケスを設置。安定的に供給できるよう細心の注意を払って釣り人の要求に応えてくれる。
マダイの大好物は他魚も大好物。当日はひとつテンヤの釣り人が2人乗船したが、コチに始まり、ホウボウ、カサゴ、カワハギ、ご愛嬌のサバフグに、船長も知らない魚などが目白押し。本命はでなかったがゲストで土産は十分。