不安定な気温でヘラの活性も安定しない今冬だが、チョウチン固形セットでより自然にアプローチすれば釣果は有望!今回はこの釣りに付いて紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・土屋ナオト)
今冬は気温が不安定
厳寒期、寒い冬が訪れた。今年は寒いだけではなく、気温が暖かくなる日もあれば急激に冷え込む日もあり、不安定な気温の中でヘラの活性も安定していない。関西の各釣り場は例年にないくらい厳しい釣りになっているのは事実だ。
ただ、繊細なセッティングでアプローチしていけば口を使わせることも可能で、痺れるヘラとの勝負に病み付きになるかもしれない。オフシーズンのないヘラブナ釣りならではの楽しみ方だ。
今回は、アプローチをより自然に見せることがキーになる今季の釣り方を、初心者でもやりやすい『厳寒期チョウチン固形セット釣り』にアレンジして紹介したい。
チョウチン固形セット
まず、チョウチン固形セットとは何かというと、チョウチンとはサオいっぱいの中層ダナのことであり、セットとは上バリにバラケ、下バリに固形物のクワセを付けた釣りになる。サオいっぱいのタナの宙釣りで、バラケで寄せたヘラにクワセを食わせる。これがチョウチン固形セットになる。サオいっぱいのタナは初心者にも仕掛けが振り込みやすく、なおかつこの時期には強い釣り方なのでぜひ覚えたい釣り方になる。
この釣りのメリットは、先ほど書いたように仕掛けを振り込みやすく、風などが吹いても影響を受けにくい。なおかつ、比較的浅ダナに比べてヘラの大きさが大きいこともメリットの一つになる。
一方デメリットは、浅いタナに比べてタナが深い分、エサ打ちの回転が悪くなるため、活性が高いタイミングでは数釣りには不利になってしまう。また、この時期はチョウチン固形セットを選択する人が多いため、狙うタナが被るとヘラの取り合いになってしまう。
セッティング
それでは肝心の厳寒期仕様のオススメセッティングを紹介したい。この時期だからこそ、より自然にアプローチする目的でこれから紹介するセッティングをオススメしたい。
サオ
サオを上下にあおるような誘いを多用するため、軽いサオの方が使いやすい。そして細いラインを選択するため、ある程度の軟らかさのサオを選択したい。初心者なら9尺前後が使いやすい。
ウキ
細い長めのムクトップのウキを使用したい。理由は活性が下がったヘラが出す弱い水流やアタリでもウキが表現してくれるからだ。9尺でボディ5cm、前後1尺ごとに0.5cm変更する。長くなれば長く、短くなれば短くだ。クワセを付けた状態でウキのトップ4分の一が出る程度にオモリ調整をする。
ミチイト
ミチイトはライントラブル防止のため、ある程度張りがある物が扱いやすい。0.7号を基準に風や流れがあれば0.6号、大型が主体の釣り場は0.8号を使用する。
ハリス
下ハリスはミチイトの半分の号数を使用する。上ハリスは下バリよりも0.1号太くすると絡み防止になる。長さは上8cm固定の下ハリスは45~70cmを使用する。60cmでスタートし、動きがなければ長く、カラツンやイトズレが多ければ短くする。調整する単位は5cmずつ。
ハリ
上バリはダンゴで使うフトコロの広い、中軸タイプを使用し、下バリは軽量タイプのフトコロが狭いタイプを使用する。上バリは7号を基準に使用し、バラケを持たせたければワンサイズアップ、バラケを抜きたい場合にはサイズダウンする。6~9号は用意したい。
下バリは2号を基準に動きがなければサイズダウン、動きが多く明確なアタリがない場合にはサイズアップする。1~4号は用意したい。
エサ
続いてエサを紹介する。
バラケ
粒戦200cc +細粒100cc +BBフラッシュ100cc+水350ccをムラなくかき混ぜて10分放置し、バラケマッハ100cc +セット専用バラケ100cc+カルネバ150ccを入れ50回ほど熊手でかき混ぜて5分放置すれば完成。比較的開きを抑え、軽さがあるブレンドになる。早めに塊のままハリから抜けるイメージを強くした、今シーズンオススメのブレンドになる。
クワセ
力玉、感嘆(10cc +コーラ10ccを容器に入れ、シェイクした物をポンプに詰め、使用する度に少しずつ絞り出す)
感嘆にコーラを入れることで経時変化が少なく粘りが出るため、オススメしたい。この2種類をローテーションし、アタリが多い方をメインに使用する。
チョウチン固形セット釣り方
1. 下バリにクワセエサ。上バリには100円玉より一回り小さいくらいのバラケを付け、まずはどの程度指で圧を掛ければウキのトップが沈没するか探っていく。
2.感覚がつかめたら、トップ先端ギリギリで少しの間バラケが耐えた方がアタるのか、トップにバラケの重さが出て直ぐに抜けた方が良いのか、もしくはバラケの重さが現れないほどタナより上で抜けた方がいいのかを探していく。判断はアタリがあるかどうかになる。その日によってかわるのでかなり大切な作業になる。
3.バラケが抜け、クワセの重みがウキのトップに現れて停止したら一呼吸待ち、サワリがなければ誘いをかける。誘いは穂先をウキの真上に上げてすぐに下げるような動作だ。サソイの大きさはヘラの気配があれば2~3節程度。なければウキのボディが出ないギリギリまで上げる。近くにヘラが居た場合は大きな誘いをかけると警戒するため。サソイには強弱を付けよう。
4.サソイの回数を決めて、渋ければ多く、活性があれば少なくしてエサ打ちのリズムを作っていく。最大でも7回程度が限度になる。
5.アタリはクワセの重みが出てから停止するまでの間(クワセが落下してる最中、つまり自然な状態)がほとんどになる。軽いクワセ、軽いハリなので、小さなチクッアタリやムズアタリなどもあるので集中してウキを見たい。
6.サワリがない場合には寄せ目的でバラケを一回り大きく、角ばらせて寄せを意識したり、釣り込む場合には一回り小さくしっかり付けるなど、ウキの動きを読み解きながら毎投バラケの付け方を変化させていこう。