大型高級魚が狙えることで人気の「タテ釣り」(落とし込み/食わせサビキ/アンダーベイト)。今回は、仕掛け選びの要点とともに、オーナーばりの今永さんと訪れた、福井県三国沖での実釣の様子をリポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版編集部)
1. 合図あれば仕掛けを即投入
あたり一面ベイトだらけという状況なら、仕掛けの投入が多少アバウトでもなんとかなってくれるが、ベイトのいる範囲が限られ、群れも大きくないときは、船上からピンポイント攻撃でベイトの群れに仕掛けを命中させていく必要がある。
船長は、ベイトのいる水深とオモリの沈下速度、潮の流速や方向、船が流される速度や方向を計算に入れ、ここぞというタイミングで投入の号令を発する。間髪入れずアングラーが投入することで、仕掛けは見事ベイトの鼻先に着弾するのだ。
大きな群れで回遊するタイプの魚は、後続する大多数の魚が、先頭の魚の動きに迎合する。ゆえに、先頭の魚を食いつかせれば、後続する魚の足も止まり、仕掛けに食いつく可能性が高くなる。
また、群れの先頭を泳いでいる個体は、遊泳力があってアグレッシブなものが多い。仕掛けに確実にベイトを付けるためにも、群れの鼻先を捉えることが肝心なのだ。
2. ベイトのタナ変動には即対応
付近に大型魚がいる状況では、ベイトの群れはひとつの大きな生き物のように固まり、上下左右にうねりながら泳いでいる。ここに仕掛けを投入するわけだから、仕掛けの位置がずっとそのままだと、群れの中を外れてしまう場合がある。
そのため、船長は刻一刻と変化するベイトのタナをアナウンスで告げる。アングラーはこれに応じ、仕掛けを上下に動かしてベイトの動きに仕掛けを追従させる必要がある。
また、群れを形成しているベイトの中でも、摂餌意欲の髙い個体は群れの上部に陣取ることが多い。ゆえに、効率よくベイトを付けるには、群れの上部に仕掛けが占位するようにする。仮に40~46mの幅でベイトがいれば、43~40mを攻めるよう心がけよう。
先述の投入のアナウンス、タナ変動のアナウンス、それぞれに即時適切に釣り人が対応できるかで、釣果が大きく変わる。船長とアングラーが人馬一体となって展開していくゲームなのだ。
なお、探見丸システムを搭載した船であれば、本機の子機を使えば、船の魚探のデータを同時進行で見ることができ、この釣りでのアドバンテージが大きい。よりリアルタイムでベイトの動きを見つつ釣りを展開できるからだ。
3. 仕掛けは複数準備
潮色や天候(光量)、ベイトのサイズや食べているエサによって、有効な仕掛けが変わる。サビキバリの装飾、ハリの色、ハリの大きさ、ハリスの太さや長さが、複合的な要素となってベイトの付きに歴然とした差が出ることもしばしば。
雨天や曇天、朝マヅメなど光量が少ない場合は、夜光やケイムラ塗装が施されたサビキがアピールの点で有利。濁り潮で海中の視界が悪い場合も同様だ。
また、平打ちのハリにホログラムが施されたものもアピールが強く、近年実績を上げている。強いフラッシングが海中で目立つだけでなく、捕食本能も刺激して食いつかせるのだ。
何も装飾されていない「空バリ」タイプもある。「イワシがベイトなら空バリ」と断言する船長もいるので、実績に裏付けられた効果があるのだ。
このほか、色に関する魚の感受性は諸説あるが、タテ釣りの仕掛けには、銀色のハリと金色のハリがある。この色の違いで食いに差が出るケースもあるので、この点も意識したい。
以上の要素を考慮に入れ、投入する仕掛けを選択する。基本の流れとしては光量が少ない時間帯は、ケイムラや夜光が施されたものでスタートし、日が強まり始めたら、反射力が武器のホログラム仕様を試すなど、ベイトの食いつきを見ながらローテーションを行うと効果的だ。
ちなみに、イワシはあまりハリスの太さを気にしないようだが、アジがベイトの場合は、細いハリスの方が食いが良いとされる。
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