大型高級魚が狙えることで人気の「タテ釣り」(落とし込み/食わせサビキ/アンダーベイト)。今回は、仕掛け選びの要点とともに、オーナーばりの今永さんと訪れた、福井県三国沖での実釣の様子をリポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版編集部)
キジハタにメタボなハマチ登場
それでは、話を当日の釣りにもどす。しばらくして今永さんのサオの穂先がプルプルと震え、ベイトが付いたことがわかった。このアタリの出方でも、ベイトの種類がわかる。プルプルと小きざみならイワシ、クンクンクンと振り幅が大きいとアジの場合が多い。
ベイトが付いた仕掛けを、捕食者が待つ底層へ送り込むと、まずは良いサイズのキジハタが、続いて定番のハマチが顔を見せた。見慣れたハマチとは言え、イワシを食べまくっているため、見るからに脂ノリノリの極太ボディだ。
船中いたるところでサオが曲がり、ハマチが取り込まれる。しかし、今永さんを含め、乗船者みんなの狙いはヒラメとヒラマサ。取材の少し前にも、同船では、ヒラメが船中20匹以上(多い人は5匹ほどキャッチ)、ヒラマサも近海では良型となる87cmが上がっていた。
一旦流しを終了し、船はラインを変えて再度アプローチする。船の下は各種回遊魚が入り乱れ、極太のブリやサワラも上がったが、「ヒラ」の名を冠する2魚種に、なかなかエサが届かない。
移動で船中ヒラメ連発
ここで、水口船長は移動を決定。ブリ親子が多すぎて移動とは、何とも贅沢な悩みだが、これもアングラーをヒラメとヒラマサに会わせたいという熱意によるものだ。
少し移動し、新たなポイントに到着。アナウンスとともに仕掛けを投入、しばらくすると、今永さんの仕掛けにベイトが付き、仕掛けを下へと送り込む。底付近を探り始めたその刹那、青物に比べると遠慮気味なアタリがきた。アワセが決まるとサオがのたうつように曲がる。海面に現れたのは本命のヒラメ。このタイミングで、船中各所でもヒラメがキャッチされ、船上に歓声が響いた。
タテ釣りはチームプレー?
その後も、船を流すラインを変えつつ、ベイトとその下で待つ捕食者にアプローチしていく。
投入が開始されると「水深60m、ベイト反応は45~55mの間」と船長の声が響く、ベイトの動きに合わせ「40から50、45から50」とスポーツの生中継のように、テンポよくベイトの動きが告げられる。
これに応えるように、アングラーが「45でベイト付いた!」と声を上げ、その声を船長が他のアングラーにリレーし、船全体で有効なタナを共有していく。見事なチームプレーだ。
ヒラメを追釣
ベイトさえ付けば、あとはアングラーの作戦次第。引き続き、今永さんはハマチをけん制すべく、オモリを底スレスレで通過させ、ヒラメを狙う。
落とす途中でハマチが食ってしまう場合もあったが、うまくスキを突いて、さらにヒラメを追加した。