今回は秋イカシーズンに突入した相模湾でティップランエギングに初挑戦。連日好調が続いており、初挑戦の方にも釣りやすい時期だ。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・古谷健太)
五エム丸でティップランエギング
10月13日(火)、葉山の五エム丸にお世話になることとなった。当日は天気もよく、ほぼ無風のベタ凪で、繊細なアタリをとらえることになるティップランエギングには適した天気と言えそうだ。
とはいうものの、実は私自身が初めてのティップランエギングであり、そもそもアオリイカを狙うのが人生初である。先達の動画を見て予習した結果、初挑戦である私がこの日気を付けたことは、確実なボトム取りとアタリの見極めの2点であった。
出船から5分程度で最初のポイントに到着した。まだ港の目の前と言えるような距離のポイントからスタートである。左舷のみに釣り客が並び、エンジンを切ってのドテラ流しで釣っていく。風は無いが、潮が速く流れているため、広く探れそうである。
ボトム取りに苦戦
さて、いざ釣りをスタートして驚いた。エギングは初であるが、釣り自体は幼少のころから続けている。速い潮や深場、軽いオモリといったシチュエーションも幾度となく経験してきている。そんな私であるが、最初の1投の感想は「ボトムが取れない」であった。
予習動画では、確実なボトム取りからのシャクリが絶対条件とあったので、2投目からシンカーをプラスしていくこととした。
なんとかボトムが取れるようになったが、早くも次の壁にぶち当たる。船中でポツポツとアオリイカが取り込まれる中、私は「これはアタリなのか?」という疑心暗鬼と戦っていた。
ティップランという釣りはその名の通り、サオ先(ティップ)の動き(ラン)でアタリを見極めるものである。シャクリを入れたあとのステイで竿先を注視するが、フワフワ動いたりする竿先の微妙な変化がアタリなのかどうかも分からなかった。
初挑戦であったため、そもそもシャクリが下手でアタリが出せていない可能性も高いし、まだボトムが取れていない可能性もある。さらに言えば、ボトムを取ることを重視して重ためのシンカーを足したため、エギのフォールがいびつなものとなってイカを遠ざけているのではないか、と頭の中は疑問の嵐となっていた。
開始2時間でようやく1杯
実釣開始から2時間、船中では私を除く他の釣り客は少なくともすでに1杯はゲットしているように見えた。私だけがいまだに釣果を上げられず、疑問と戦い続けていた。
そんな中、ボトム着底から7回ほどシャクリを入れ、ステイでサオ先を注視していた際にそれは起きた。サオ先ではなく、手に直接「コンッ」といった感触が伝わってきたのだ。その感触を認識し、それが何なのかを考える間もなく体は自然とロッドを高くあおっていた。
伝わってきたのは確かな重量感と心地よく響くドラグ音、ヒットである。待ちに待ったファーストヒット、上がってきたイカは300gほどのサイズで一番長い触腕1杯に掛かっているだけの状態であった。
最初の1杯をなんとかゲットしたが、これはおそらくイカパンチを引っ掛けたものであろうし、そもそもサオ先の動きは全く分からなかった。その後も疑心暗鬼は消えないが、怪しいサオ先の動きには片っ端からアワセを入れてみることとしたところ、わずかな重みが乗った感覚がしたので上げてみると、200gあるかどうかといったミニアオリイカを追加することとなった。
足元で600gアオリ
さて、実釣開始から4時間が経過し、だんだんとボトムの取り方やシャクリにも慣れてきたところで、多少の風が出てきた。それとともに、潮の動きも船からまっすぐに払い出すような流れになった。他の釣り客はキャストして探っているようであるが、この流れならば一番フレッシュなイカは足元にいるのでは、と考えた私は船底に入るくらいの角度でエギを落としてみた。
するとイトが止まり、一発目のシャクリを入れようとした瞬間、「ジジー」とドラグがなる。根掛かりかと思ったがイトは止まらず出ていく。フォール中にイカがアタックしてきていたのである。このイカは、この日の船中最大600gほどのイカであった。