爆釣した魚が食べきれず冷凍庫で魚が眠る…。こんな「釣り人の悩み」と「地域の課題」を同時に解決する取り組みが西伊豆でスタートしました。
(アイキャッチ画像提供:はんばた市場)
取り組みの3つの背景
そもそもなぜこの取り組みがスタートしたのでしょうか。その背景について、西伊豆町役場に取材しました。
1. 釣り以外の魅力を発信
釣り人は目的が明確。早朝に現地着、釣りが終われば早々に帰ってしまいます。
しかし、西伊豆はキレイな自然・名所も数多く、それを味わわずに帰ってもらうのが「もったいない」。そこで始まったのがツッテ西伊豆。釣り・地域通貨を通して西伊豆の魅力をさらに味わってもらおうという願いがあるとのこと。
そしてこの取り組み、実は玄人釣り師だけでなく、ビギナーにもオススメとのこと。確かに「釣りだけしたい」「捌き方が分からない」という方は手軽に釣りにチャレンジすることができます。
2. 漁業者の高齢化
さらに背景にあるのが「漁業者の減少」。西伊豆では高齢化が進み、漁師の方が減少しているそうです。豊富な海の幸があっても、このままでは供給が難しくなります。
そんな生産量低下に歯止めをかける「地物の供給システム」としても、この取り組みは期待されています。
3. 地産地消を目指す
そして背景の3つ目が「地産地消」を目指すこと。西伊豆で今年5月にスタートした直売所の「はんばた市場」もこの取り組みの一環で、「観光客だけでなく、地元の人にも地物を届けること」を目標にしているそうです。
もちろん、まずは自身が釣魚を味わうのが釣りの醍醐味。しかし、自分の釣果を誰かが食べてくれることも、釣り人冥利に尽きるのではないでしょうか。
せっかく釣りに行くなら
「爆釣」は釣り人にとって嬉しいことですが、釣れ過ぎた釣果はかえってマイナスに働くことも。クーラー満杯の魚を家族に見せると「え、またこのサカナ?」という心無い言葉を浴びせられることも。そんな事態を避けるためにも、たまには釣果だけでなく「釣り場」に目を向けるのもいいかもしれません。
釣りは大なり小なり「移動」がつきもの。せっかく遠くに行くのならば、その地域の魅力を最大限に味わい尽くすしてはいかがでしょうか。
取材協力:西伊豆町
<TSURINEWS編集部/田口>