夏~秋はファミリーフィッシングで気軽に狙える魚も多くなるシーズン。今回はそんな時期の波止(堤防)で持っておくと役立つ「3つの仕掛け」を紹介したい。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)
秋にかけて波止で狙えるターゲット
水温が高いシーズンを好む魚であっても、真夏の暑さはハンパではない。特に波止やビーチなど比較的浅い場所では水温が上がりすぎて、魚たちの活性も下がっているハズ。それが朝夕涼しくなってくると、徐々に水温が下がり、過ごしやすくなるとエサを活発に食べるようになる。まさに「食欲の秋」がやってくるのだ。
波止で手軽に狙える魚も種類がグンと増え、いろいろ釣り方で多彩な魚を釣ることができるため、ファミリーやカップル、グループなど、入門者やビギナー、または釣りをしたことがない人にも最適な入門シーズンとなる。
この時期の波止で手軽に釣れるターゲットといえば、回遊魚ならアジ、サバ、イワシなど、海底を見ればシロギスやハゼ、カサゴ、メバルなどの他、ウミタナゴやキュウセン(ベラ)など本当に多彩だ。実はそれらの魚たちは3つの仕掛けがあれば、たいてい狙えるのだ。
タックルは併用可能
3つの仕掛けを解説する前に、仕掛けを付ける竿やリールなどのタックルを紹介しよう。竿は特に難しく考える必要はない。ルアーロッドや万能竿、短めの磯竿など安価なものでも十分。
これにセットするリールは小型のスピニングタイプで道糸はナイロンラインなら3号前後、少し高価になるがPEラインだと、1号程度を巻いておく。この1セットがあれば先に付ける仕掛けをかえるだけでOKなので、全ての仕掛けで併用ができる。
では、今回紹介する3つの仕掛け・釣り方の解説をしていこう。上記タックルに取り付けるのは、「サビキ仕掛け」、「胴突き仕掛け」、「ちょい投げ仕掛け」の3つ。すべて、釣り具ショップに行けば完成したものが売られているので、入手も簡単だ。
サビキ仕掛け
波止のファミリーフィッシングでは代表的な釣りなので、体験したことがある人も多いはず。釣り入門はまずサビキ釣りからといっても過言ではない。
仕掛けのスタイルは後述する胴突き仕掛けのタイプで、仕掛けの一番下にオモリをぶら下げて仕掛けを沈める。仕掛けの糸(幹糸と呼ぶ)から複数のエダが出ていてその先に、スキンや魚皮製のエサを模した擬似が付いたハリが付いている。ハリ数としては市販品は6、7本が多いが、ハリが多いと絡んだりハリが刺さったりとトラブルになるので、子供さんなどはハリ数の少ないサビキ仕掛けを選ぶと良いだろう。
サビキで釣れる魚
サビキ仕掛けで狙う魚は、主に波止の周りを頻繁に群れで動き回って(回遊という)、通りかかった際に撒かれたエサを見つけると、たかってくるように集まってエサを食いあさる。そんな魚の代表といえば、アジ、サバ、イワシだろう。群れが回ってくればかなり簡単に釣れるので初めての人でも楽しめる。
ほかに、スズメダイやウミタナゴ、チャリコなど波止回りに居付いている魚もエサに釣られて仕掛けの周りに寄ってきて掛かることがある。
どんな場所に向いている?
サビキ釣りができる場所は護岸である程度水深があった方が良い。護岸の中でも足場が良い場所を選ぼう。基本的に、サビキ釣りで釣れている場所には、人が集まっているのでその近くで竿を出していれば間違いないだろう。
漁港などでは内向き、外向きどちらでも釣れるが、案外、港内の潮の流れが緩い場所の方がまきエサが効きやすいので、魚が集まってくると長居してくれるパターンが多い。
サビキの釣り方
サビキ釣りでは道具類の他に、別途エサが必要。エサはハリに刺すものではなく、仕掛けの周辺に撒いて魚を寄せるためのもの。エサ店に行くと売られている、冷凍のアミエビを溶かして使用する。店によってはすでに解凍しながら売られているので、すぐに使用する場合は溶けているものがないか聞いてみよう。
仕掛けの最下部にオモリ兼用のマキエカゴを取り付けて、カゴの中にはアミエビを入れる。その状態で竿下へ仕掛けを落とす。仕掛けを止める深さは魚が回遊してくる層によるので、最初は浅い場所から、徐々に深い場所へ仕掛けを沈めていき魚がかかる深さでの釣りを繰り返すと効率的。
カゴの口は上に開いていて、仕掛けを沈める時にカゴからまきエサが出るので、釣る深さまで仕掛けを沈めた後は、軽く竿で仕掛けを上下させてカゴからまきエサを出すと良い。
釣りの注意点としては、アジの場合、口が柔らかいので強く竿をシャクッたり、強引に上げるとハリが外れてしまうのであくまでもゆっくりと優しく釣ろう。